2011年12月7日(水)

2011年12月7日(水)


原稿を印刷し、賞に送った。

四百枚ほどを一気に刷ったので、三十分以上かかった。

プリンタがディスプレイの後ろにあるので、うにゅほに「ある程度刷れたら取り出してまとめてくれ」と頼むと、刷り上がるのをじっと待ち、一枚一枚ソファの上に運んでいた。

数十枚単位でいいのだが、うにゅほがあまりに真剣なので、口出しするのはやめておいた。

郵便局は家から近い。

俺は原稿を封筒に入れると、気分転換もかねて歩いて行くことにした。

俺がコートを着込むと、うにゅほも当然のように準備を始めたので、マフラーを首にかけてあげた。

十二月の雪はもう、アスファルトを隠してしまっていた。

凍った道を歩き慣れていないだろううにゅほをフォローするために、手を繋いだ。

うにゅほは、

「おー!」

と目を輝かせながら、ざくざくと固まった雪を踏み壊しながら歩いていた。

横断歩道で手を挙げながら歩くさまを見て、危ないと身構えていたら、案の定滑った。

慌てて繋いだ手を引っ張ったので、転びはしなかったけれど。

原稿は定形外郵便で、850円もかかった。

郵便局の外に出て、一段落ついたと伸びをしていると、うにゅほがポストに向かって手を合わせていた。

赤いポストに宗教的な何かを感じ取ったらしい。

俺もうにゅほの隣で手を合わせ、目を閉じた。

目を開いたとき、老婆が俺たちを不審そうに見ながら、郵便局へと入っていった。

すこし恥ずかしかった。

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