第224話 最新鋭艦vs魔王軍総旗艦
「先輩、こちらの攻撃射程に魔王軍総旗艦・ルシファーをとらえました」
よし、これで一方的な攻撃にさらされる心配はなくなった。
アドミラル・イールという大きな喪失をしてしまった。ギルド協会幹部のほとんどがこっちに乗り移っているせいで、向こうの戦艦の防御力が低下してしまったのも喪失の原因だ。
魔力障壁を作ることができなかったせいで、魔王の攻撃が弱まることなく直撃してしまったんだ。
『アレク、こちらの防御はもうしなくていい。正面から撃ち合おう。攻撃だけに専念してくれ』
副会長の指示が届く。
「ですが……」
『大丈夫だ。この艦の装甲には最新の魔力対策を施している。数発の攻撃が着弾したくらいでは簡単に沈まない。向こうの攻撃は連続でできるようだ。なら、敵の主砲を吹き飛ばして攻撃を封じるしかない。会長達の主砲は防御に回すから、アレクの方は最優先で敵の主砲を無効化してくれ。スピード勝負だ。ぬかるなよ』
また、責任重大だ。俺の主砲だけ完全に攻撃に回して、残りの二つを防御に回す。
防御が薄くなることで被弾する可能性はあるが、この艦の優秀な防御力に頼って多少の被害は許容するのか。
戦艦同士の撃ち合いか。
「魔力充填完了。こっちも反撃だ。アドミラル・イールの
俺はみんなを励ましながらルシファーに向かって魔力主砲を発射させる。ナターシャの完璧な誘導で射撃精度はこちらの方が上だ。強力な魔力攻撃が敵艦の前にあった魔力障壁を安々と貫通し直撃する。
「着弾」
ナターシャの声にこちら側もわき立った。不沈艦も無敵じゃないのが証明された。俺は再び主砲に魔力を込める。
「敵の攻撃、2発来ます!」
だが、俺は攻撃に専念する。
『アレクは攻撃を維持。主砲はまだ撃てるようだが、ダメージは蓄積しているはずだ』
副会長の指示通り俺は攻撃しか考えない。
「直撃弾きます」
1発の攻撃に迎撃に失敗し、俺たちの戦艦を貫いた。俺たちと反対側に着弾し爆発する。衝撃で大きく揺れる。俺とナターシャは手を繋いで衝撃を耐えた。
「先輩、次で決めてください。あなたしかできませんから」
「助けてくれよ、ナターシャ!」
「もちろんです。あなたのためなら私は何でもしますから」
俺たちの砲撃は、さきほどの攻撃でダメージを与えた主砲に向かい精密射撃を試みる。
正確無比の攻撃は、敵艦を貫いた。ただでさえ、爆発を生じやすい主砲への連続攻撃によって敵艦に巨大な爆発が起きる。
これで敵の攻撃力の半分を奪い去った。簡単には沈まないだろうが、これでさらなる接近が可能になる。
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