ただの燃料になるよりマシさ。私を楽しませてくれるのだからね

結晶でいろどられた庭に花の雨がふる。標本たちは翼を広げ、ちいさな花々を集めてまわる。

「すみれの砂糖菓子にしよう」

「お前は、食べることばかりだな」

「ただの燃料になるよりマシさ。私を楽しませてくれるのだからね」

ベラクルスアメシストは、籠の中に結晶の残骸を放り込んだ。

「これは、君の分」


2023/1/23

結晶庭園

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