冬の湖に浮かぶ星空は、どんな宝石よりも美しかった

冬の湖に浮かぶ星空は、どんな宝石よりも美しかった。深く昏い青の底に沈む影が、誰のものか知っていれば、僕は足を止めなかったかもしれない。

兄の訃報をきいたのは、淡い日が昇る翌日のことだった。

両親はすでになく、親戚にひきとられていた僕は、あの日、ほんとうにひとりぼっちになってしまった。


2023/1/7

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