いつの日か、本当の“夜明け”に辿り着く。儚い夢を、ふたりで見ていた

いつの日か、本当の“夜明け”に辿り着く。儚い夢を、ふたりで見ていた。

金盞花の瞳は、まっすぐに未来を見つめていた。

「どうして、こんなことを」

白い指先が、少女の結晶花を摘み取る。見上げた先にある黄金色の瞳には、何もうつっていなかった。感情のない凍てついた睛だ。

「先生、こたえてください」


2022/12/30

花ねむるサナトリウム

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