彼の秘密は、ずいぶん前から知っていた
あたたかな手が、頭を無でる。
「もう少し、眠ってていいよ。にいさん」
額にやわらかな熱を感じた時には、“弟”は寝台を離れている。
彼の秘密は、ずいぶん前から知っていた。決して、兄の前では吸わない。
こんなときに動けない自分が情けなかった。
窓の外では、朝日とともに世界が目覚めようとしていた。
2022/11/30
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