祝福を与えよう。君だけの名だ

「俺の、なまえ」

人の子は空を見つめ、揺れる花々を見つめ、最後に王を見つめて、首を傾げた。

「……しらない」

「では、君は、まっしろなのだね。うつくしい子だ」

王の手が頬に触れる。ふるい傷の痛みさえも浄化する清らかな癒しの手だ。

「ニルソニア」

「に、……?」

「祝福を与えよう。君だけの名だ」


2022/11/11

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