あの日、はじめて“弟”のくちびるのつめたさを知った
踏みつけた影が桜だったのか、落ち葉だったのか、よく覚えていない。
あの日、はじめて“弟”のくちびるのつめたさを知った。
いずれこうなると、どこかで諦観していた。授業をさぼり、ふたりで海を眺めた。僕の心ををうつしたような暗い海だった。
海の向こうでは、僕たちのような関係が赦されると云う。
2022/11/3
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