螢石を散りばめたような碧い夜が広がっていた
螢石を散りばめたような碧い夜が広がっていた。
星の運び屋は寒さに弱い。彼の鞄から逃げ出した螢星の子どもたちが、夜天を駆け回っているのだろう。
「こっちに降ってこないかな」
弟は夕刻の薬を飲みほし、小瓶を掲げてみせた。
「闇市でも標本が売っているだろう」
「わかってないな。本物がいいんだよ」
2022/10/25
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