蝶のはねが燃え、灰になっては宙へ消える

蝶のはねが燃え、灰になっては宙へ消える。幾度となく繰り返されるまぼろしに、少年はあくびを噛み殺した。

「そろそろ眠ろうか」

「……まだ眠くない」

何度目かのやりとりに、思わず笑みがこぼれる。

「流星群を見せてやる、と約束しただろう」

濃紺の夜天には果てがない。漆黒を満たす星が静かに瞬いた。


2022/10/22

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