子犬のようになついてくる其れを、僕は覚えていない

子犬のようになついてくる其れを、僕は覚えていない。

先生は、「君の弟ですよ」と微笑み、世話役を任された。髪の色は同じ。瞳の色は、少年のほうが少し淡い。

怪訝そうに眺める僕を、どう呼べばいいのか、迷っている様子だった。

「……レグルスだ」

「にいさん、……」

「違う」

「ぼくは、カペラだよ」


2022/9/28

星満つるギムナジウム

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