本当に、あれは、恐ろしい生きものだっただろうか
白い白い物語。少年を護る鳥籠はどこまでも白く、静寂に満ちていた。電子の海で出会った彼は、白亜の床に伸びる影の正体を知っていた。
「それは死神だ。鉱玉少年の核を砕くのさ。まるで、大切な宝物のようにね」
本当に、あれは、恐ろしい生きものだっただろうか。頁を捲る彼の瞳は、誰かに似ていた。
2022/9/7
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