僕は、ただの召使ですよ。時折、こうして主人の話を聞くために、訪れるのです

真っ白に塗りたくられた壁が目に入る。かつて、名のある貴族たちの肖像画が飾られていたという。

「君は、一族の生き残りというわけか」

青い睛の少年は、ミモザのスワッグを手にしていた。白亜の壁に、鮮やかな色が咲く。

「僕は、ただの召使ですよ。時折、こうして主人の話を聞くために、訪れるのです」


2022/3/8

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