あれは、僕らを喰らう、死そのものだよ

"最果ての街"に一体の機械人形がたどり着いた。人形はひどく汚れていてぼろぼろだった。"彼"を修理できる人形師はいない。最後のひとりは、数日前に旅立ったばかりだ。

「君、ずいぶんと旧式だね。どこから来たんだい」

人形が頭上に浮かぶ月を指さす。

「まさか。あれは、僕らを喰らう、死そのものだよ」


2022/2/9

鉱玉標本録

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