星の雨、早く降らないかな

黒曜石の睛に満天の星空がうつりこむ。星々の祝福を受けた弟は、我先にと駆けだした。月の光が兄の手にのこる真鍮の鍵をなぞっていく。

「あまり遠くへいくんじゃないぞ」

遠くで弟が手を振った。

「兄さんに、一番きれいな星をわけてあげるね」

「ああ、……期待しているよ」

「星の雨、早く降らないかな」


2022/1/23

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