少年は"弟"の手をとり、一面の銀世界に足を踏み入れた

宿舎が眠りの底に沈んでいる頃合いに、そっと部屋を抜け出した。見廻りの教師の姿はない。少年は"弟"の手をとり、一面の銀世界に足を踏み入れた。この時期に雪が積もるのは 珍しい。

「雪だるま、つくれるかな」

指の隙間からさらさらと結晶がこぼれおちる。白銀の粒子が宙を舞う。

「ね、一緒に作ろう」


2022/1/14

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