レンズのせいで色合いが変わってしまうのだね。私は君の青い睛がすきだよ

「眼鏡、変えた?」

形の良い指先が細い弦にふれる。右目に咲いた蒼い花をまもるための器具だった。

「鉱玉師に調整をしてもらった」

「あんまり似合わないね」

「別に、気にしていない」

デュモルチェライトが歴史書の頁を捲る。

「レンズのせいで色合いが変わってしまうのだね。私は君の青い睛がすきだよ」


2022/1/8

結晶庭園

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