あなたと過ごせて、しあわせでした

「あなたと過ごせて、しあわせでした」

視力を奪われた蜜色の瞳は、二度と男の姿をうつさない。鉱玉の侵食は予想外に早く、闇医者が処方した薬では、手の施しようがなかった。

「兄さん」

「……最後に」

"兄"の手が結晶化した弟の手をとらえる。

「行きたいところは」

「あなたとなら、……何処へでも」


2021/12/27

きょうだいごっこ

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