高校生だけど異世界で魔王やってます

御野影 未来

第1話

俺は公立高校に通う斎藤翔高校2年生だ。

普段はの話だがな。実は俺には魔王という仕事を持っていて、この役職も今年で2年目に入る。


あれは高校一年生の入学式の日のことだった。式も終わり帰ろうとしたその時俺は校長室に呼ばれた。入学早々何かやらかしたかと考えたが思い当たらない。

とりあえず校長室へ行ってみるとそこで校長先生に言い渡された。


「君には今日から異世界で魔王になってもらう」


そんな非現実的な言葉に俺はつい笑ってしまった。話が大きすぎてついていけない。

異世界?魔王?

考えれば考えるほど疑問が浮き上がる。

俺が今の現状を頭で巡らせていると校長先生は詳しい内容について話した。


どうやらこの学校は異世界と繋がりのある学校らしく、一学年に1人魔王として異世界を行き来できる者がおり、それぞれの世界で魔王として仕事をしているらしく、どうやら俺はその1人に選ばれてしまったらしい。

この学校に俺を含め3人も魔王がいるのか。

ってか異世界なんてまじで存在するのかよ。

でも親にとってはいい話でもあり、魔王に選ばれた者には学費の免除があるらしいのだ。


「早速だが異世界とをつなぐ魔法陣を君に教えよう」

いや早速すぎるわ!とつっこみをいれる隙もなく校長先生は俺の追いついていない頭をさらに置いてきぼりにする。


まだやると決めていないのだがこれは強制なのか?俺はずっと閉じていた口をついに開いた。

「これは強制なのですか?」

この展開に少し怖さを感じていたせいか小さな声で校長に聞いた。


「これは強制です。他の誰かでは務まらないあなたにしか頼めないお願いです。」

校長は、はっきりと威厳をもって答えた。


「わかりました。」

本当は面倒だと思っているが強制だというし、めんどいので俺はこの状況を渋々だが受け入れた。そして異世界とをつなぐ魔法陣を俺は教えられた。魔法陣を描くのは難しかったが、何回か描き直してなんとか形になった。そして魔法陣を描き終わると魔法陣起動の合言葉を教えてもらう。


「ready」


無事に起動した。俺は眩しくて目を閉じた。あたりは光に満ちて体には浮遊感を覚えた。

光を感じなくなったところで俺は恐る恐る目を開けてみる。

そこに広がるのは綺麗な部屋。


「ここが異世界?」






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