俺がメイドで、マジですか?

レイド

第1話、俺、メイドになる。

始まりは、突然だった。


「ねえ、優希、私の代役お願いね?」


「は?」

ある日の放課後。家の中にいる俺こと、市倉優希は、姉の市倉由紀に

そんな事を言われた。


「いや、姉貴、代役って……何の?」


「それは、もちろん……私の働いてる場所の代役よ」


「姉貴の働いてる場所って、あそこだよな……ほら、何だっけ……?」


「マイ・ドリームって言う喫茶店よ」


「そう、そのマイ・ドリーム!そこって、あれだよな!? まさか……姉貴……俺に、あの服を着ろと……!?」


すっげ~冷や汗が噴出している。まあ、マイ・ドリームと言う店がどんなのか?それを知っているので、そんな冷や汗が出てしまったのだ。姉貴はなんか、ニコニコ顔で


「ええ、もちろん!貴方が着るのよ!この服を!」

そう言って、どうやって出したのか「パンパカパーン」と効果音を自分で言って、自分で出した服。それは……白をイメージしたメイド服だった。つ~か、姉貴……どっから出したんだ?それ!マジシャンか!?あんた!


「嫌だ! 何で俺が!」


「実はさ? 私、今日のバイト入れてたのすっかり忘れて、ライブコンサートのチケット取っちゃったのよね~これって、今日行かないと、間に合わないのよ、それに……大丈夫! 貴方なら出来るわ!」


姉貴はビジッと指を出して、ドヤ顔で言ってきやがった。なんで、やれると思っているんだ? 姉貴は……

「嫌だって!俺はやらんぞ!断固拒否する!」


「わ・が・ま・ま・言わないの!」


そう言って、姉貴はがっちりとホールドを決めて俺を、逃がさなかった。俺は、嫌だと暴れて、抵抗したけど、姉貴には適わず、結果……


「あら~似合ってるわよ? 優希」


メイド服を着せられた俺がいた。鏡を見せられて、見てみると、自分で言うのもなんだが……ちょっと似合っていた。いや……何を言っているんだ? 俺は。


「いや、やっぱ無理だって!、ばれるだろ!」


「大丈夫よ、優希、ちょっと声を高くして、しゃべってみて?」


「え? こ、こうか?」


「もうちょっと高く!」


「……こうか?って、うわ! 姉貴と同じ声!」


「よし、完璧に私の声ね!さすが双子ね~」


そう、俺と姉貴は、双子なのである。

まあ、髪の長さが違うので、双子には全く見えないのだが……


「うん、あとは、髪型ね? 優希、これを被って」


そう言って姉貴は、ウイッグを取り出した。


「何で、姉貴がそんなもん、持ってるんだ?」


「演劇部から、拝借したのよ」


「いや、駄目だろ!普通!」


「まあまあ、被っちゃいなさい!」

そう言って、ウィッグを着けさせられた。ウィッグを着けた状態で、鏡を見てみると……


「うわ、姉貴そっくり……」

そこに写っていたのは、姉、市倉由紀の姿をした俺の姿だった。ここまで似るとはな……やっぱ双子だからか? もしかして……双子の姉妹に見えるのではないだろうか?


「うん、完璧ね? じゃあ、由紀、バイトよろしく~」


「ちょ、姉貴!バイトするのは、もう何を言っても無駄だと思うからあきらめた、でも」


「でも?」

「着替えさせてくれ……さすがにこのまま町を出るのは、嫌だ……」


さすがにメイド服で、町の中を移動するとか、かなり嫌だぞ? すっげ~目立つと思うんだが?


「あら、そう? ま、いいわ~じゃあ……着替えて、行ってきてね? ちゃんと私らしく振舞うのよ?」


「あ、ああ……解った」

こうして俺、市倉優希は、双子の姉の市倉由紀のフリして、バイトに向かう事になってしまったのであった。

俺が、メイドって……マジか……


そんな訳で俺、市倉優希は、姉の市倉由紀に言われて、マイ・ドリームと言う店に、向かう事にしたのだった。

お店は、家からそんなに離れていなく、数十分程度で、辿り着く。

うん、外観はまとも、普通の喫茶店に見えたりしている。まあ、お店の中は、あれなのだが……俺は、とりあえず気を取り直して、店内に一歩、踏み出した。


「いらっしゃいませ~!ご主人様」

そう言って来たのは、白いメイド服を着た店員さんだった。そう、ここは言わずとしれた、メイド喫茶なのである。店内は、ファンシーな作りになっていて、店員が、白をイメージしたメイド服を着ていた。うん、改めてみると、この子、結構可愛い感じの子だなあ……と思う。


「……あ、由紀、遅かったわね」


そう言って来たのは、リクルートスーツを着た、かっこいい感じの人だった。あ、そうだ、俺は姉の由紀として来たんだっけ? だから、由紀として、振舞わないとな?俺は、姉の由紀の声で、話す事にした。


「おはようございます」


「ええ、おはよう、早速で悪いんだけど、由紀、着替えて接客お願いね?」


「あ、はい……えっと……」


「どうしたの?」


「着替えの場所、忘れてしまいまして……」


「そう……じゃあ、こっちよ、ついてらっしゃい」


「あ、はい」


そう言って俺は、スーツの人に案内されて、ついて行く事にした。案内された控え室に辿り着き、スーツの人は


「じゃあ、私は用があるから、それじゃあね?」

そんな事を言って、この場から離れていく。俺は、お辞儀をしてから、その中に入って、ロッカーに「市倉由紀」と書かれてあるのを見つけて、その中に荷物を入れる。荷物を入れ終わり、嫌だったけど、この店の服、メイド服に着替える事にした。着方は、散々姉貴にレクチャーされたので全く問題なく着れてしまった。

うん、男としてそこの所、どうなんだ……と思ったが、気にすると落ち込むので、深く考えない事にした。

着替えが終わり、出ようとすると、ガチャと音がして、誰か入ってきた。

入って来た人物は、俺の姿を見た後


「お姉さま~!」

とか言って、抱きついてきた!うわ、何だ!?お姉さまだと!?内心びっくりして、その子を引き剥がして、深呼吸する。その子は、なんか「ああ、お姉様の匂い……す~は~」とか言っている。うわ……変態じゃないか? この子……見た目は、和風人形みたいなショートな黒髪で、結構可愛いんだが……


「え、えっと……」


「お姉様、今日こそは私とデートしてくれますよね?」


「は、はい? デート!?」


「お姉様、私がデート希望すると、いっつもはぐらかすんですもん……だから、今日こそはって、思ったんですけど……? 駄目ですか?」


なんか某CMとかで、出てきそうな子犬のような目で見つめてきた。う……どうすればいいんだ?


「萌、いい加減にしなさい、由紀が困ってるでしょ」

さっきのスーツの人が部屋の中に入ってきて、助け舟を出してくれたみたいだった。


「だって、志穂さん~!私、あきらめられなくて~」


「ほら、仕事に戻った戻った、全くこの子は……由紀、ごめんなさいね?」


「は、はあ……」

そう言って、志穂さんと呼ばれた人は、萌と呼ばれた子を引っ張って行った。


「ああ、お姉様~~~!」

うん……見なかった事にしよう……つ~か、この店、お店もそうだが……個性的すぎないか?

俺……大丈夫か? と思ったが、まあ、これも仕事なので、やるしかないよな……と思い、仕事現場に向かう事にしたのであった。


俺の仕事場は、店内のウエイトレスで、まあ、メイドさんが厨房で、料理するとか可笑しいんじゃないかな? と思う。大抵、そう言うのは、コックがいる筈だしな? つまり、やって来た客に対して、メイド喫茶なのだから

メイド風に接客すればいいのだろう。うわ……自分で言っててなんだけど、かなり嫌なんだが……てか、店内を改めてみてみる。うん、男性客が多い、しかも男性客に頭にバンダナ、背中にリュック、アニメの絵が描かれたTシャツに長ズボンといった、周りからちょっと浮いている感じの服装。あれって、所謂、オタクって奴じゃないか? と思うんだが……そう思っていると


「由紀、何、ぼ~っとしてるのです?」

そう言って話しかけてきたのは、金髪の縦ロールだった。うん……一言言いたい。普通に考えて、縦ロールはないだろ!アニメキャラか!とかなり突っ込みたい!でも、突っ込んだらなんか怪しまれるんじゃないか? と思ったので、俺は、姉貴の声で


「いや、何でもないわ……」


「そう? ならいいけど、今日も頑張りますわよ?」

うわ~お嬢様言葉のですわ~キタ~てか、こいつ本当にお嬢様なのか?

なんちゃってお嬢様の確立大なのだが……さっきの黒髪ガチ百合少女と言い、この金髪縦ロールといい

あきらかに人選がおかしいと思うのは、俺だけか? そう思っていると


「ユキちゃん~!」

男の声がしたので、ユキ=俺かな? と思い、呼ばれたテーブルに向かった。テーブルに辿り着くと、明らかに鼻息の荒い男が


「ユキちゃん、この……モエモエハンバーグを頼むよ……」


うわ、キモ……見た目もそうだが言ってる言動もかなりキモイ……

俺は、作り笑顔を浮かべて、メイド喫茶なので、こう言う事にした。


「かしこまりました~ご主人様~、少々お待ちくださいね?」

そう可愛く言ってやると

男が「フオオオオ!ユキちゃん萌え~~~!!」とか言っている。

うわ~かなりキモイ……この仕事。やっぱやめたいな……と改めて実感してしまった。と言うか……こんな事をやってる姿、親友とかに見られたくないな? そう思っていると、リクルートスーツを着た、志穂さんだっけ? その志穂さんが


「由紀さん、お客様が来るから、その相手をお願いしますね?」

そう言われたので


「あ、はい、解りました」

志穂さんに言われたので、店に入ってくる人物がいたので、俺は店の前に立ち、入ってきた人物に対して


「いらっしゃいませ、ご主人さ……」

言って、固まってしまった。運命とは本当に残酷な物で、やって来た人物は、俺の親友の、真吾しんごだったのであった。



「ご、ご主人様……お席に、ご案内します……」


そう言って俺は、真吾を席に案内する。まさか、真吾が来るなんて思わなかったな? こいつ……ここの常連なのか? もしかして?やべ~、俺ってバレテないよな?バレタら、かなり恥ずかしいんだが……と言うか絶対に「お前、何してんの?」って感じで、言ってくると思う。だから俺は、平常心で、接客する事にした。真吾は、俺の姿をジロジロ見た後、何食わぬ顔で、俺に案内された席に座る。真吾が席に着いて、俺は一言


「お、お決まりになりましたら、お呼びくださいね?」


逃げるように真吾がいる席から、離れて行った。ふ~本当にバレテナイヨな……と、不安になるんだが……そう思っていると、さっきの金髪縦ロールが、俺に話しかけてきた。


「ちょっと、何ですの? さっきの態度は? 貴方らしくありませんわよ?」


うるせ~、こっちはバレルかどうかで必死だったんだ!とか言いたくなったが、そう言うと、俺が偽者だってバレソウなので、しらばっくれる事にした。


「いいえ、貴方に心配されるほどではないですよ? ご心配させました?」

そう言うと、何故か金髪縦ロールは

「そ、そういうのでしたらよかったですけど、べ、べつに心配なんかしていませんわよ!」

なんか顔を赤くして、そう言ってきた。おい……これって、ツンデレって奴か? 金髪縦ロールにツンデレって……すげ~な……この店……

そう思っていると、厨房から「萌え萌えハンバーグお待ちどう~」と聞こえたので、俺は、その料理を持って、さっきの鼻息の荒かった男の所に向かう事にした。俺が料理を持ってくると、男はかなり興奮した感じになっていて、はっきりと言うか、ぶっちゃけ、マジできもかった。 一応、俺は笑顔で


「お待たせしました~萌え萌えハンバーグになります」

そんな感じの可愛い声を出して、料理をテーブルの上に置く。すると、男は


「ユ、ユキちゃん……た、食べさせてくれないか……ハアハア……」

そう言ってきた。うわ、キモ…… かなり嫌なんだが……他の従業員を見てみると、ガチ百合黒髪少女も嫌そうな顔をしながら、ふーふーしてるのを見て、 そうか……一応やらなくちゃ駄目なのか……と思い、俺は、フォークをハンバーグに突き立てて


「ご主人様、はい、あ~ん」

そう言ってやった。それを聞いた男は、だらしない顔で「あ~ん……」とか言っている。うわ、しかも小声で「グフフ、ユキちゃんからあーん……まるで新婚さんみたい……」とか聞こえてきた。うわ、今の言葉で、凄い鳥肌が立ってしまった。内心、帰りたい帰りたい!って、かなり思ってしまう。そう思っていると、スーツを着た、志穂さんがやって来て


「由紀さん、あちらのご主人様が呼んでます、行って下さいね?」


志穂さんがそう言うので、なんか逆らっちゃいけない雰囲気だったので、俺は


「は、はい」

と言って、呼ばれた人物の所に行った。俺を呼んだ人物は、真吾だった。

内心、ゲ……と思いながら、俺は、姉貴の声で


「ご、ご注文は決まりましたか? ご主人様……」

俺がそう言うと


「えっと……このワンダフルオムライスってのを一つ」


「かしこまりました、ワンダフルオムライスですね、以上でよろしいでしょうか?」


「ああ、うん、それで結構、でさ……変な事聞くけど……君、ユキちゃんって言うの?」

そう聞いてきたので、内心びくっとなったが、聞かれたので


「は、はい、私はユキって言いますけど……? 何か?」

そう言うと、何故か真吾は、顔を赤くして


「い、いや、名前を知りたかったら、聞いただけ……あ、ありがとう……ユキちゃん」


「い、いえ……」

何で、こいつ赤くなってるんだ? と思ったが、深く考えない事にして、注文を聞いたから、真吾の元から離れる。離れて、移動していると、志穂さんが


「由紀さん、休憩していいですよ、休憩は三十分です」


「あ、はい、解りました」

そう言って俺は、休憩室で、休む事にした。ふ~あとは、確か姉貴のシフトでは、あと二時間ぐらいだった筈、休憩終わったら、最後まで頑張ろう……そう決めて、休憩が終わり、店内に戻る。ところで、俺の親友の真吾は、まだいるのか? と気になったので、真吾が座ってた席を見てみると、そこには真吾の姿は、見えなかった。

食器も片付けてあったので、多分、帰ったんだと思われる。ふ~これで、とりあえず安心だな……

それにしても真吾の奴……こんな店に行く事があったのか……俺は、親友の意外な一面を発見して、会った時に、どう接していいんだ? と、思ってしまった。そう思っていると


「お姉様? 何か考え事ですか?」

そう言って来たのは、控え室で俺に抱きついてきた人物、黒髪の髪で、確か萌と呼ばれてる子だったな……

ところで、何でこの子は、姉貴の事をお姉様と呼んでるんだ? 気になったので、とりあえず聞いてみる事にした。


「あのさ? 萌ちゃん……」


「はい? 何でしょう、お姉様」


「何で私の事をお姉様と……?」


「だって、お姉様が凛としててかっこいいですから! 駄目ですか? お姉様……」

なんか上目遣いで、そう言って来た。

う……改めてみると、結構可愛い。姿は幼児体系なので、胸のサイズもお子様サイズだった。うん……これはこれで、特定の人物に需要があるのではなかろ~か?


「……えっと……そう言いたいの? 萌は……」


「はい!お姉様!」

「そ、そう……じゃあ、もうそれでいいよ……」


「ありがとうございます!お姉様!」

何で、この子は俺……いや、姉貴にこんなにも懐いてるんだ? 姉貴……一体この子に何したんだ……マジで……

そう思っていると、お客に呼ばれたので、接客しに向かう事にした。

呼んだ客は、いかにもって感じのアニメオタクな感じの男で、俺を呼んだ後、こう言って来る。


「ユキちゃん、この萌え萌えスパゲッティをお願いするでござる」


「か、かしこまりました、ご主人様」


何だ? ござるって? 変な言葉使いだな……と思いながら、注文を受けたので、厨房に持っていく。厨房の中を見てみると、コックの姿をした、女性がいた。素早い動作で、料理を作っていて、この人、プロって感じがヒシヒシと伝わるのを感じた。

料理が出来上がったので、萌え萌えスパゲッティー=普通のナポリタンに見える品物を、さっきの客の所に持って行く。


「お待たせしました、萌え萌えスパゲッティーになります」


「おお、ありがとうでござるよ、しかし……」


「はい?」


「やっぱりいいでござる……ユキ殿は……」


なんか妄想の世界にトリップしてないか? こいつ……うん、キモイ……

そう思いながら、料理は運んだので、その男から離れる事にした。

そして時間が過ぎていき、俺の元に、スーツ姿の志穂さんが、やって来て、こう言って来た。


「由紀さん、今日はもうあがっていいですよ、お疲れ様です」


「あ、解りました、じゃあ、あがらせてもらいます」

ふ~、これで俺の今日の仕事は終わりか……なんか疲れたぜ……と思いながら、控え室に入ると


「あ、お疲れ様ですわ、由紀」

下着姿の金髪縦ロールがそこにいた。

うん……これって、不味い状況だと思うのだが……まあ、俺は今、姉の由紀に成り済ましているので、なるべくこの金髪縦ロールの方を見ないようにして、着替える事にしよう……はい、決まり!しかし……この金髪縦ロール、胸でかいな? 何をしたらそこまででかくなったんだ? 誰かに揉まれたのか?って、アホか俺。変な事考えないでおこう。そう思い、金髪縦ロールの方を見ないようにして、制服を脱ぐ。

制服を脱いで、ロッカーから私服を取り出して、素早く着替える事にした。

着替えがあっという間に、終わり、すぐに控え室を出ようとすると


「由紀、ちょっといいかしら?」

う……もしかして……ばれたか? と思い、内心どきどきしながら


「は、はい? 何?」


「今日、暇ですの? よかったら、私と遊びにと思ったのですけど……?」

そう言って来た、どうやらばれてはいないらしい。けど、一緒に行動すると、ばれそうなので


「ごめんなさい、今日は、そんなに暇ではないんです」

そう言うと

「そ、そうですか……」

なんか、がっかりした表情になっていた。ちょっと罪悪感を感じたが、これもバレちゃ不味いしな……


「じゃあ、お先に失礼します」

そう言って俺は、家に戻る事にしたのであった。仕事が終わったので、俺は、真っ直ぐ帰ることにした。

うん、もう何というか……メイドはやりたくないな……と、思ってしまう。

まあ、ちょっとは楽しかったけど……

自分の家の中に入り、姉貴が帰ってるか、確認する。居間に、姉貴がテレビを見ながらいたので、俺は姉貴に


「ただいま、ちゃんとやって来たよ」

と言って、ウイッグを取る。なんか、やっと普通の男に戻れたな……って感じなんだが……


「お、帰って来たのね? で、どうだった?」


「で、とは?」


「仕事楽しかった?」


「楽しかったと言うか、ちょっとね……」


「一体、どうしたのよ?」


「いや、お店に、真吾が来たから、焦ったんだよ」


「真吾君って、あんたの友達だったっけ?」


「ああ……」


「ふ~ん……で、他には?」


「あの萌って子は、何なんだ? 姉貴、あと金髪縦ロールってすげえな……」


「あ~あの子ね……鬱陶しいでしょ? 何故か、私の事をお姉様とか呼んでるしね? あ~……確かに、あの金髪で縦ロールは、私も最初に見た時「うそ?」って思ったもの、あれは、凄いわよね」


「その萌って子は、姉貴にすっごい懐いてるんだけど……姉貴、一体、何をしたんだ?」


「あの子、私の通っている女子高の一つ後輩なのよ、何でか知らないけど……私に惚れてるみたいなのよね……困ったもんだわ」


「そっか、姉貴も大変なんだな……ま、何にせよ、一応終わったんだし、これでいいよな?」


「ええ、ありがと、明日からは、また、私が行くからね?お疲れ様、優希」


「そうしてくれ……ほんと……なんか、疲れたから、もう寝るよ……」

そう言って、自分の部屋に戻る。

自分の部屋野中に入り、ベットにダイブする事にした。毛布がかなり気持ちよく睡魔が襲ってきて、寝てしまったのであった。

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