少年の日記 C

 四月になったら、六年生に進級し、新しい先生がやって来ました。その先生たちは、おそろしい人で、僕たちは、学校と寮から出られなくなってしまいました。

 僕たちは、すぐに、美織ちゃんのところに集まりました。どんなことでも、美織ちゃんが解決してくれるからです。僕たち六人は、美織ちゃんが来てから、結束を固めていました。


「先生たちを、びっくりさせてあげましょうよ」


 美織ちゃんは手をぱちぱちとたたき合わせて笑っていました。


「だって私たちはダイヤモンドだもの。輝く権利があるんだから」


 そう言って、美織ちゃんは、僕たち仲間の六人のうち一人の首をナタで跳ねました。

 両手でナタを持って、ホームランを打つみたいに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る