高校生の選ぶ愛の告白の言葉一位は、こうして生まれた。
@ramia294
第1話
赤いキツネと緑のタヌキに、関する噂は、高校生たちから広まったものだ。
当初、大人たちが、噂を無視したのは、やむを得ない事だった。
噂の内容は、こうだ。
『赤いキツネか、緑のタヌキを食べた後、最初に見た人を好きになる』
ギリシャ神話の金の矢じりの様な噂をまともに、信じる大人は、いなかった。
しかし、この噂を信じて、学生たちは、振り向いて欲しい相手に何とか、赤いキツネか、緑のタヌキ食べさせようと、必死になった。
あるものは、自身の身を隠し、食べて欲しい相手のすぐ目の前に置き、食べた瞬間、隠れていた自分が、飛び出す事を考えた。
これは、上手くいかなかったらしい。当然だ、いくら美味しい物でも、誰が置いたか分からない、そんな怪しい物を普通、口をつけない。
唯一、口をつけた例があったらしいが、たまたま教室に入ってきた別の男子と、既に赤いキツネを食していたらしく、隠れていた男子は、意中の女子に告白も出来ずに失恋して、彼女の目から、その後も隠れ続けた。
給食のスープに紛れ込ませる方法も上手くいかなかったらしい。特定の女子を狙う事が難しく、スープの鍋に赤いキツネを放り込むと、クラス中の女子、男子が、混乱。自分が、誰を好きなのか、分からなくなり、恋愛感情が空転。おかしくなったそのクラスは、現在閉鎖中だ。
ただし、この情報の出所は、集団食中毒を引き起こした給食会社だ。
力ずくで、相手に食べさせようとする者ももちろん現れたが、これは、女子が男子に強制した場合のみの事例しか報告されなかった。
男子は、昔から惚れた女子には、無様で無力だ。
しかし、政府が、重い腰を上げたきっかけになった社会的問題は、大手タレントプロダクションが、所属の女性アイドルに無理やり食べさせようとした事が、明るみに出た時だ。
どうやら、事態は深刻らしい。
ようやく動きだした、政府は第三者機関を設け、噂の真相を調査させた。
以下、第三者機関の報告は、およそ次の通り。
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