8にゃ にゃんこはにゃんこ。


「やっと見つけましたよ……ミーニャ様……ハァハァ……」


 レインの顔に汗が流れており、服装はよれよれのYシャツ。恐らく、あの後われの事をすぐさま追ってきたのだろう。


「にゃ?レイン!

 今ちょうど新しいわれの、ご飯係をみつけたにゃ!」

「はぁ?えっとこの方が?」


 レインは怪訝な目を向け、われのにゃんこハンドを向けた方向を見た。


「あれ?以前お見かけした事があります。

 私の母のお店で、お食事をなさってませんでしたか?」

「食事?えっと……失礼ですがどんな?」

「大盛りの海鮮丼です!」 


 …………。


「おい。レイン」


 そのかわいらしい外見から、想像もつかない低い声が出た。


「はい!何でしょうか!?」

「なんでわれにこれを教えてくれなかったのにゃ……?」


 猫は涙目になりながら言った。


 こんな美味しい食べ物、いつもだったらすぐ教えてくれるのに。

 なんで………。

 まさか……われの事、嫌いになったのか?

 ぐすん。

 われ悲しい。


「あ、いえ!教えなかったのではなく、教える時間がなかったんです。なにせミーニャ様と私、全然会話してないじゃないですか?」

「……………そうゆうことにしてやるにゃ」

「ミーニャ様。

 一つご提案よろしいですか?」

「ん?なんにゃ?リーラ?」

「この店を魔王領に、もってきませんか?」

「にゃ?」

「リーラ!何勝手なことを言ってる!?

 このお店は、彼女の母のものだぞ?

 それを、勝手にもっていくとは……」

「レイン様。僭越ながら言わせていただきます。

 この店は、人が来ていません。

 恐らくこのままだと、潰れるでしょう。

 なので、この味を失わないためにももっていかないかと言っているのです」

「っはぁ〜……。

 これは私達が決めていいものではありません

 まず、クレナさんの同意があってのものでしょう?」

「そうでした。

 勝手に口走り申し訳ございませんでした」

「いえ。

 それで、クレナさん。

 どうでしょうか?

 お母様にこの店を魔族領に移転しないかと、お話を通してもらえないでしょうか?」

「…………わかりました。

 言うだけ言ってみます。

 ですが、良い反応はあまり期待しないでください。

 私の母は問題ないのですが、祖父がなんと言うか……」

「まぁ。

 もしもの時は私達から、お願いしに行きます。

 っあそうだ。

 ミーニャ様。

 魔族領への移転の許可を頂けますか?」

「………………」

「ミーニャ様?」





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