猫なのに『勝手』に魔王にされました。魔王として堂々としないといけないけど、猫の前には数々の誘惑が!?!?もう本能のまま生きていこうと思います!!

でずな

プロローグ(仮)

0にゃ われミーニャ。


 われは今、女の膝の上で優雅にくつろいでいる。

 ………のだが、


「いい子でちゅね〜〜」


 われを無許可で触ってるやつがいる。

 ………。

 んにゃ……にゃ……。


「は〜い♡かわいいでちゅね〜もっと甘えていいんでちゅからね〜」


 触っているのは、われが座っている膝の女で、

 名はアネット。

 こいつを一言で表すと巨乳。

 巨乳と言っても、程よい胸だ。

 猫パンチをしたら、ポヨンと弾かれるのがわれの最近の楽しみだ。

 あれには、夢と希望が詰まってると思う。

 うん。

 そして、髪は腰あたりまで伸びており、サラサラな赤毛がとてもきれいだ。


 美人だ。

 美人だが……


「われを赤子扱いするんじゃない!!…………ゴロゴロ……」


 ま、まったく!

 赤子じゃないのに!

 猫なのに!

 ふん!


「んふふ〜〜ここがいいんでちゅね。この耳の裏でちゅね。ほ〜らほ〜らどうでちゅ?気持ちいいでちゅか?」

「や、やめるのにゃ!!……ゴロゴロ………気持ちよくなんかないにゃ!!…………ゴロゴロ………ゴロゴロ……」


 っく!

 コヤツ、われの弱点を的確に攻めてきている。

 なんてイヤらしい手つきだ!

 鳴らしたくないのに喉の音が勝手に……。


「うふふ……耳の裏を掻きながら、頭撫でたらどうなると思います?」


 んな!?

 これだけでも、天国にいる気分なのにこ、これ以上の快楽があるというのか……


「…………ゴクリ」


「いい加減やめんか」

 

 そう言ったのは、羽織を着て腰から細長い刀を掛けている男。

 ゴウジだ。

 こいつの外見は黒髪で和風イケメン。

 顔だけだったら女がわんさか寄って来る。

 だが、こいつの悪い癖は我の事になったら見境がなくなる事だ。


「えぇ〜でもミーニャ様、すごい気持ちよさそうですよ?」

「主君が嫌がってるだろ。

 やめんのなら、貴様を切るぞ」


 え?切るって……

 君たち仲間だよ。

 何争ってんの。

 って、おい!なに刀抜いてんの!?


「おいおい、何言ってんだよゴウジ。 

 お前の脅しは脅しじゃ無いんだよ。 

 ほんとに切る気だろお前」


 止めてきたのは、ヒョロっとしている猿顔のバークだ。

 コイツは猿顔だが、この中で一番まともだ。

 なので、こいつが最後の砦。

 

「当たり前だ。主殿に嫌がらせをする輩は拙者が切るのみ」

「いや、切るのはだめだろ」


 うんうん。

 切ったらだめだね。

 死んじゃうもんね。

 仲間だもんね。


「お前、切ったあとの処理のこと考えてんのか?」


 睨むようにバークがゴウジを見る。


 うんうん。

 処理大変だもんね。

 血とかね。

 臭いとかね。

 …………処理?


「知らん」


 澄まし顔でゴウジが言った。

 

 なんかわれが思ってたのと違う気がする。

 

「てめぇ……ヤんのか??」

「っふ。拙者、弱い者いじめはしない」


 バークがゴウジの胸元を掴んだ。

 だが、ゴウジは嘲笑いながらバカにした。

 

 止めねば!

 部下の仲は我が保つ!


 っあ……。

 アネットそ、そこは……。

 にゃ……にゃ……。


「ッチ。ゴウジごらぁ!」

「ちょっと待ってください!!」


 われが気持ちよくなっていたら、

 静かだったアネットが二人を静止させた。


「「?」」


 われも二人と同じく?を思い浮かべた。


 止めてくれるのかな?

 だとしたら嬉しいな。


「切るとか切ったあとの処理とか今、どうでもいいです」


「んぁ?」

「む?」


 二人は腑抜けた声を出した。


 うん。

 確かにどうでもいい。

 ん?

 他になんか言い争ってたっけ?


「ミーニャ様の耳の裏を掻きながら、頭を撫でたら気持ちいいのか。

 そうじゃなかったんですか??」


「「「………………」」」


「そ、そうであったな」

「あ、あぁ」


 二人は顔を見合わせた。


 え?

 そうだったの?

 われが、気持ちよくなるかなんて、どうでも良くない?

 て言うか、今のでも十分気持ちいいけど……。


「ではミーニャ様いきます」

「う、うむ」


 なんか見られながら撫でられるのってちょっと緊張するな。


「カキカキ……ナデナデ……」

「…………ゴロゴロ……気持ちいいにゃ……」


 なにこれ恥ず!


「ふふん!」

   

 われの反応がよかったのか、

 アネットは二人にドヤ顔をした。


「っく!」

「そうだったか……」


 いや、どう言う事だよ。

 何理解し合ってんだよ。

 教えてよ。

 ねぇ。


「おい、お前たち。早く来い。

 あっミーニャ様は、おくつろぎください」


 そう言い、扉を開けてきたのは、圧倒的な語彙力をもつ金髪ロン毛男。

 こいつの名は、レイン。

 鼻が高く、イギリス系イケメンだ。

 こんな顔なので、ゴウジと同じく女がわんさか寄ってくる。

 だが、こいつのあまり理解されない趣味のせいで女は逃げていく。

 それはもう、この世の終わりかのような悲鳴をあげながら逃げていく。


「あぁ分かった」

「うむ」

「わかりました」


 アネットがわれを膝からおろし扉の方へ行くと、二もあとを続いて出てってしまった。


 …………

 

 気持ちよかったのに

 もっとしてほしかったな……。


「あ!」


 われが悲しんでいたら、アネットが扉を少し開け言ってきた。


「続きはベットでね♡♡」

「…………にゃ」


 その夜われが、ベットでアネットに、あそこをいじめられ乙女の声を上げたのは割愛しておこう。

 


――――――――――――――――――――――――

【あとがきは今回だけです】

 星やハートを頂けると、励みになりますので何卒よろしくお願いします。

 


 

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