第6話 また強くなった!

 翌日になった。

 また剣の稽古が始まろうとしている。


「クロム坊っちゃん。昨日の件だけど……」


 サーシャが口を開く。


「……はい」


 説教が始まってしまうのか。

 身分では明確な上下関係がある。

 しかし、剣術の領域では俺は彼女に頭が上がらない。


「……貴族様とはいえ、ああいうのは止めた方がいいと思う。クロム坊っちゃんだから許したけど……。他の貴族からされたら、後で八つ裂きにしていたかもしれない……」


 サーシャがそう言う。

 怖え。

 しかし確かに、剣聖である彼女の不興を買えば、それぐらいはされてもおかしくない。

 代わりに彼女も捕らえられて処刑されるだろうから、生半可な覚悟ではできないだろうが。


「わかりました。他の女性にはしないことを誓います」


 実際のところ、俺の身近にいる女性で最も魅力的なのがカリナとサーシャだ。

 この二人のおっぱいを堪能できた今、新たに危険を犯す必要性は低くなった。

 また、『おっぱいを揉むほど強くなるスキル』による強化も、かなり進んでいる。

 カリナの胸を揉みしだいたことにより、彼女に勝てるぐらいには強くなった。


 そして、サーシャの胸を堪能したことによる強化の結果は……。

 俺とサーシャが模擬試合を行う。

 ガコン!

 そんな音を立てて、俺の足元に彼女の木刀が転がる。

 俺の勝ちだ。


「……参った」


 サーシャが小さく呟いた。


「ふははっ。どうです? 俺の成長は?」


「……すごい。昨日はああ言ったけど……。まさか、こんなにすぐに追い抜かれるとは思わなかった……」


 サーシャが悔しそうな顔で言う。


「ふっ。俺なら当然のことです」


 俺は得意げにそう言い放つ。

 カリナが目を輝かせて俺を見ている。


「……でも、まだ完全に負けたわけじゃない」


「ほう」


「……次は私も本気で行く」


 サーシャの目つきが変わる。


「いいでしょう」


 結果を言えば、本気になったサーシャは今の俺よりも少し上手だった。

 やはり、剣聖の称号は伊達ではない。

 俺もまだまだ上を目指さないとな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る