第57話 アルトリア王国の王都ロザルン

”旅路”の宿で朝食を食べ終えた二人はドリス達を連れて5人で歩いてアルトリア王国の王都ロザルンの冒険者ギルドに入って行く。


昨日は宿を聞くだけで急いでいて気がつかなかったが、ギルドの中に入ると右手の掲示板の巨大さに先ず驚かされた。


ランク別に細かく大量のクエストが載っている。

上位のところにオルバル帝国の皇帝主催の武術大会の知らせがでかでかと出ている。


出場資格はランクBクラス以上で、パーティーではなく単独での申し込みだ。

ギルド長の推薦が必要である事以外は特に厳しい規定は内容だ。


自分の所属する国から出場する事と書かれているので、ハヤトはここでは申し込みできない。


申し込み期日は今月一杯と書いてあるので未だ半月以上余裕が有るのでここの王都でのクエストを2日程受けてからケープに戻っても十分間に合うので、先ずはここのクエストを見てみる。


王都のせいか強い魔物の討伐依頼は殆ど無く、仕方がないので受付嬢に王都管轄のダンジョンを聞いて見た。


「王都のメイン通りのこの地下に”迷宮都市ダンジョン”がございますよ」と答えてくれた。


「ええ、この王都の地下にダンジョンが在るのですか?」


「はい、入り口は直ぐ出て右に行けばわかりますわ!」


「それでは僕ら”熱き絆”の5人が潜ります」


「最下層が何処まで続いているのか未だ成長しているのか不明ですが7階層迄は地図が有りますのでお持ちください」


「ああ、ありがとう」そう言ってハヤト達5人はギルドを出て右に出ると衛兵が立っている場所が5、6メートル側にあった。


みると地下に向かう階段が有り、入り口も5人が横並びで通れるほどの広さだ。


冒険者カードを全員が見せて、降りて行く。


ハヤト達の前に降りた人は居ないのか、姿も声も聞こえない。


これだけ大きなダンジョンなのに冒険者が並んでダンジョンに挑むと言う風景が見られないのを不思議に思いながら降りて行く。


1階層はファングウルフの群れ20匹がドリス達に向かってくる。


アレンとドリス、ガードマンが剣で2匹ずつ首を切り落としてセリーヌが後方から5連射でやを射り、10匹以上を刈り取る。


ハヤトが紅流古武術で5匹を一瞬のうちに頭蓋骨を破壊して刈り取る。


残り数匹をアレンとガードマンが剣と盾で粉砕して刈り取った。


2階層はトカゲ人間のリザードマンが5匹、剣を構えて向かってくる。


ガードマンが盾で1匹を跳ね飛ばし剣で胸を突き刺し、ドリスが1匹の首を切り落とし、アレンが胴体を二つに切り分けて3匹を瞬殺する。


ハヤトは残り2匹の胸めがけて掌底破を連射する。


背中から内臓が飛び出して一瞬で2匹を倒した。

3階層は森林ステージで甲高い鳴き声が聞こえてくる。


どうやらサウンドラーがけたゝましく金切り声を出して威嚇している様だ。


ドリスが【瞬足】で間合いを詰めて目をめがけてレーザービームを放ち怯んだ隙にジャンプして首を切り落とした。


さらに奥にはオークジェネラルとオークシャーマンにキングが居て、群れ15頭を

引き連れている。


シャーマンから【暗黒槍】が10本程飛んでくる。


その全てを盾で無効化すると、ドリスが『リフレクションリング』に魔力を流してシャーマンに向かって間合いを詰めると、再び【暗黒槍】を放ってきた。


しかし、【暗黒槍】はドリスには届かずシャーマンの胸に深く突き刺さった。


「ななな、何故わしの放った【暗黒槍】が戻ってくるのじゃ・・・」と叫んで倒れた。


残りはアレンがオークジェネラルをガードマンがオークキングをそしてセリーヌとハヤトでオーク15頭をそれぞれ瞬殺に近い秒殺で倒して次に進む。


4階層は砂漠ステージでサンドスコーピオンがドリスに毒針についた尾で襲ってくる。


ドリスはヒラリと躱して、尾を切り落として、頭部のハサミ一対も切り落とし、首をレーザーで砕いて殺した。


更に行くとサンドモールが1匹、5人に向かってくる。


ハヤトは砂地に掌底破を放ち、強烈な地震波の様な振動を作り出して、サンドモールを砂地から出してそれを狙い撃ちする。


サンドモールは体に空洞をあけられ砂上に屍を晒している。


ハヤト達は5階層にくる。


5階層はホーンラビットの群れが10匹程いる。


アレンとドリスが対応して剣でアレンとドリスが【瞬足】を使い、動きのはやいホーンラビットを片っ端から殺して行く。


20分程で12匹のホーンラビットを全て片付け終わった。


5階層にはボス部屋も無く6階層に続く通路だけがある。


5人は6階層に向かった!


6階層は目の前に綺麗な砂浜になっていて、その先は黒く澱んだ海が広がっていた。


ハヤトは『万能乗用車』を【次元収納ボックス】から出し、5人とキラービー3匹と銀龍が乗り込み海へと潜航し始めた。


20メートル程行くと、『サーチモニター』に大型のクランケンが映し出された。


ハヤトは直ぐ様レーザ砲をスタンバイしてクランケンの頭に照準を合わせ、レーザ砲を撃ち放つ。


クランケンは頭部が吹っ飛んで死滅した。


更に進むとシールワームの群れ20匹程が見える。


ハヤトは『万能乗用車』からスティール製投網を放ち20匹を一網打尽にし、高圧放電の電気を流し一気に20匹のシールワームを狩りとった。


陸地が見え、7階層に向かう。


7階層にごつごつした岩場ステージだ!


5メートル程もあるゴーレムが一体居て、大きな岩を5人に向け投げて来る。


砕けた破片でも当たれば骨などが折られる程の破壊力だ。


セリーヌとハヤトだけがシールドを纏いアレンやドリス達は生身で、破片が当たった所が穴が空いても直ぐに塞がり、ゴーレムの弱点である魔石の部分を3人で攻めたてて最後はアレンが脆くなった岩の魔石部分を破壊力して魔石を抜き取り動きを止めた。


「ここから先は誰も行ってない未知の階層なので地図を作成しながら油断しないで進むよ」とハヤトが皆に言いながら8階層に向かう。


8階層は薄暗い3メートル程も有る大きな洞窟状のステージだ。

ハヤトが【サーチ】するとスケルトンが80体向かって来ているのが分かった。


その中に1体2メートルを超える、どうやらスケルトンキングらしきものがいる。


皆に【念話】で情報を伝え、先ず最初にセリーヌが【聖魔法】を放ち殆どのスケルトンを浄化して灰にした。


残り5体とスケルトンキングが剣を構えて向かって来る。

アレンとドリス、それにガードマンとセリーヌがスケルトン5体に対応し、ハヤトがスケルトンキングに対応する。


アレンは剣で先ず頭蓋骨を破壊し、首を切り落とし両腕、両足、胸から腹、腰にかけて袈裟斬りで細切れにし倒し、ドリスも頭をレーザービームで砕き、心臓部の魔石を手刀で奪い取り動きを止めて、足腰を破壊してしまう。


ガードマンはジャンプ一番スケルトンの真上から盾で頭蓋骨から胸骨等骨をことごとく上から盾で潰して砕いた。


一方セリーヌは6本の矢を2体のスケルトンの頭蓋骨、魔石部分の心臓、胸骨にそれぞれ3本づつ2体に射って瞬殺破壊する。


残ったスケルトンキングに対しハヤトは素手で向かう。


スケルトンキングは大きな盾を前に押し出し、少年の様なハヤトをふきとばす勢いで向かってくる。


簡単に人間を吹き飛ばすと確信したスケルトンキングだがハヤトは掌底破を盾に当てると吹き飛ばされて尻餅をついたのはスケルトンキングの方だった。


大きな盾は破壊されて大穴が開いて、キングの左手とともに遥か後方の岩にぶつかって落ちた。


左手を砕かれたキングは右手の剣でハヤトを串刺しにする感じで胸を鋭く刺すがハヤトはその場所には既におらず、スケルトンキングの真後ろを取り、手刀で頭蓋骨、首の骨、頚椎、両足をすれぞれ砕き再生さえもできない様に粉々に砕いて殲滅した。


9階層に向かう途中で罠があり、石畳の道の”ある石”を踏むと両サイドの岩から毒矢が飛んでくる仕掛けだが既に全員が罠を認識してその罠の石を踏むことは無い。


9階層は森林ステージでミノタウルス2体が迫ってくる。


1体はハルバートを、もう1体は剣を持っている。


ガードマンが1体を、アレンがもう1体を難なく倒して回収。


ついにボス部屋の10階層に来た。


ゆっくり扉を開けると巨大なヒュドラがいる。


ドリスとアレンで順番にドリスが首を切り落とし、アレンが再生を防いでレーザーで切り口を焼いて行く役割で攻撃を開始した。


最後の首をドリスが切り落とし、アレンが切口をレーザービームで焼いて再生を防いで30分程要したがボスを倒した。


宝箱を慎重に開けると小型の『魔力増幅器』が入っていた。


ハヤトは『万能乗用車』に取り付ける予定でそれを大事そうに【次元収納ボックス】に回収して、転移盤に皆で乗って1階層の出口に戻った。


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