第38話 魔動鉄道車の敷設を終えて

普段の生活に戻りのんびり自宅で2日ほど暮らしたハヤトは『魔動鉄道車』の残りの部分をやってしまってスッキリしてから冒険者の旅に出ようと思い立ち、朝から『マジックアイテム創造ボール』で魔動車の鉄道レールを10メートル毎にレベル3の魔石紛を塗布したレールを作り続けていた。


ロゴニーとグランデの間に新設する街名をギルバート侯爵からヌーベルとしたことを聞かされ取り敢えずはロゴニーからヌーベル、ヌーベルからグランデ迄のレールの敷設作業に取り掛かった。


ロゴニーからヌーベル迄凡そ250キロにレール5000本のレールをしかなくてはならない。


ドリスとアレンがロゴニーから開始して、すごい勢いで敷いていき午前中いっぱいで完了させてくれた。


残りヌーベルからグランデ迄の180キロを3600本のレールを敷き始めて午後4時ごろには終えてしまった。


ハヤトとセリーヌはグランデの街の”鏡月亭”に泊まりドリスとアレンは銀龍とキラービーとともに『万能乗用車』の中で翌日の朝まで過ごす。


グランデのエドガー侯爵にグランデの次の駅の名前とどのあたりに作るか確認すると”王都までのちょうど半分ぐらいの距離のところにボースという街にする”と言われたので、グランデの50キロあたりのところにボースの駅を作って止まる感じでドリスとアレンに線路を敷設してもらい、夕方迄にはジュネべの王都まで完成させた。


夕方王宮に行って宰相様にお会いして『魔動鉄道車』と王都までの線路の完成を

報告して白金275枚を頂きカードに収めた。


宰相様に運転手5名の指導を頼まれて、金貨10枚で計50枚を更に頂いて明日伺い1日で教育する事で約束した。


セリーヌと二人で王都の宿屋”寛ぎの広場”に泊まる。


朝、王宮前の城門で宰相様と運転手候補の5名を待って『魔道鉄道車』に乗って

運転席でレバーの扱い方を教えてブレーキングの掛け方のタイミングを何度も実際に行って貰いながらケープから王都まで何度も往復してもらってマスターした。


結局時速60キロほどで走りケープから王都まで凡そ8時間をみっちり五人に教え込んで王宮で宰相に『魔動鉄道車』3両と五人の運転手を解放してあげる。


ハヤトとセリーヌ、ドリスにアレンは全ての作業を完全に終えて『万能乗用車』に乗って時速500キロで空を飛んで凡そ1時間ほどで自宅に着いた。


ドリス達に留守番を頼んで、ハヤトとセリーヌは”せせらぎ亭”で夕食を食べることにした。


夕定食が”ヒメラギオ”の塩焼きでそれを二人分頼んで食べた。


ヒメラギオは日本では秋刀魚の味そっくりで大根おろしでこの世界も食べるようだ。


ハヤトはセリーヌに散歩しながら魔道具やとか洋服屋さんを覗こうと行って、手を繋いで魔道具屋に入って見る。


ハヤトが目に止めた短剣は『リターン・ダガー』とあり必ず投げた人の手元に戻る短剣と出ていた。


ハヤトは自分で木の上の”ウォーターモンキー”などを討伐するのに使えるとこれを購入した。


セリーヌと洋服やさんに入る。


冒険者をする格好をセリーヌは動きやすいスラックスを何枚か色違いを購入してハヤトは上着を2枚ほど購入する。


ハヤトとセリーヌは自宅に戻り、明日から再び冒険者のクエストを目立たぬ程度に

こなして、ハヤトは自分で解体して肉屋、や錬金術屋さんに肉とか魔石を直接納品してみようと思っている。


二人でお風呂に入って温まってベッドにダイブして意識を投げ出した。


1階のリビングにはドリスとアレンが居て、テラスにはキラービー3匹がテラスの観葉植物の葉に止まって体を休めている。


銀龍はリビングのサイドボードの上に横になって眠っているようだ。


翌日ハヤト達の朝は早い。


セリーヌと二人で何時もの様に朝練をして、ドリスが朝食を用意してくれている。


アスパラベーコン巻きに人参とジャガイモの千切りをバター炒めして塩胡椒で味付けしてコンソメスープの素を入れてクロワッサンと野菜サラダを出す。


二人とも美味しいと完食してドリスは喜んでいる。


四人と銀龍にキラービー3匹はギルドに行き、クエストを初心者からAランククエストまでくまなく見る。


ガメリオンの5匹の討伐依頼があった。


5匹討伐で銀貨15枚で討伐部位は牙になっている。


これをまずは1枚取って、次を見て見る。


次に見つけてきたのはセリーヌでドラゴントカゲ3匹の討伐依頼を取ってきた。


もう一つはハーピー15羽で中には上位種がいる様だ。


それぞれ場所を聞くと、ガメリオンは西の門を出て4キロ程北西に行った平原で

ドラゴントカゲも西門を出て北西に行くが更に6キロほど行った岩場の山裾だそうだ。


ハーピーは西門の北東部の丘の上空にいるそうで門からは10キロほど出た場所だそうだ。


ギルドを出て『万能乗用車』に乗り込み西門で衛兵に冒険者門を提示して、先ずは一番近くのガメリオン5匹を討伐しに行く。


『万能乗用車』のサーチ画面に反応が出た。


かなり大きく肥えて通常のガメリオンの1.5倍ほど有りそうだ。


ハヤトが5匹を纏めて【結界】で囲いその中の空気を抜いて行きしばらく待つとピクリとも動かなくなった。


一応念のため【サーチ】で死亡しているのを確認後頸動脈を切って血抜きをした。


そのあと【次元収納ボックス】に入れて、次のクエストに向かった。


ドラゴントカゲは更に式の山裾の方だ。


『万能乗用車』で向かうとすぐに反応が出てドラゴントカゲは4匹で予定より1匹

多かった。


ドリスが斬りかかり首を狙うが刃が通らない。


一瞬躊躇してレーザービームに切り替えて目を狙って脳まで破壊して殺した。


ドリスの剣が通らなかったのを見ていたアレンはドリス同様レーザービームで

頭を狙って殺した。


ハヤトは『白兎』を構えてジャンプして上段から首を切り落としにかかった!


スパッと首が胴体と別れて血が吹き出し、ドリスが切り口を焼いて血止めをしてくれる。


4匹目はセリーヌが矢を目を狙って矢を放ち脳まで到達して殺した。


4匹とも回収して、最後のクエストのハーピー15羽を撃ちに行く。


今度は北東に10キロなので『万能乗用車』で空を飛んで向かうと15羽のうち1羽が通常の2倍ほどの大きさですごい羽の風圧だ。


『万能乗用車』でさえも揺れて凄い!


ハヤトは真っ先にボスを狙ってレーザービームを頭めがけて発砲した。


頭が吹っ飛び地上に落ちて行く。


ボスを失ったハーピーは烏合の衆の塊だ。


全てレーザービーの餌食になってになって地上に落ちて行った。


下に降りて、【次元収納ボックス】にいれた。


ゆっくり『万能乗用車』をギルドに向かって進み、西門でカードを見せてギルドの素材置き場に討伐した魔物をおいた。


納品書をもらって受付嬢にだして清算金をカードに入れてもらって冒険者ギルドを出た。


一旦自宅に帰って昼食を食べたらハヤト一人で解体練習の為に東門を出て森に行こうと思っている。


ドリスがスパゲティのナポリタンをセリーヌと二人に作ってくれた。


ハヤトは歩いて門迄行き、冒険者カードを見せて【身体強化】を掛けハヤトが最初にこの異世界に落とされた森にやって来た。


懐かしさを感じながらも、森の奥に歩みを進めると、ファングボアが2匹居る。


傷をあまり付けたくないので、【結界】で2匹を囲い中の空気を抜く作戦にした。


【結界】内でかなり苦しいのか暴れ回っていたが暫くしてピクリともしなくなった。


ハヤトは【結界】を解いて二匹の頸動脈を切り放血して回収した。


更に奥に行くとファングウルフが12匹程群れでいた。


殺気を消して近ずき『リターンダガー』を放ち1匹を殺し、更に再び『リターンダガー』でもう一匹を殺すと流石のファングウルフもハヤトに気が付き遠巻きに囲い込んで来た。


ハヤトは『白兎』を抜いて【ブースト】を掛けてリーダー格のウルフに一瞬で近寄り首を切り落とした。


他のウルフは動きが見えないのか全く動かないで、ハヤトは続けてその隣又その隣と3匹を瞬殺する。


残るは7匹、リーダー格のウルフを失いバラバラの動きでハヤトに襲い掛かるがハヤトの敵では無い!


あっという間に3匹の首が落ち、残り4匹は逃げ出すが【バリア】で4匹を閉じ込め空気を抜いて殺し、頸動脈を切って放血して全てのファングウルフを回収した。


東城門迄【転移】で戻りカードを見せて家に帰って行った。


家に着いたハヤトは庭の作業場でファングボア2匹の解体を始める。


『解体用ダガー』を取り出し、ファングボアを前にすると頭の中にダガーから意思が流れ込んで来て、先ず最初にやらなければならない事や何処から切って行くのかなどやり方がわかり易く入って来る。


『解体用ダガー』の教えてくれる様に解体して行き、魔石を取り出し、各部位毎に袋に入れて【次元収納ボックス】に回収し、2匹とも解体を終えた。


ファングウルフも同様に『解体ダガー』の指示に従って12匹すべてを解体した。


「セリーヌ、解体した肉と魔石を売って来るね」


「はい、いってらしゃい」


ハヤトは以前肉を売り込んだ肉屋に持って行く。


「オヤジさん、以前肉を買って貰ったハヤトです!又ファングボアとファングウルフの肉を持って来たのですが見てくれませんか?」


「おお、ハヤト君か?どれいつもながら綺麗に解体して居るな!内臓も部位毎に有るな?ファングウルフの方も問題なく綺麗だ」


「ファングボアの方は内臓込で@銀貨80枚、ファングウルフは内臓込で@銀貨30枚なのでファンゴボアが銀貨160枚ファングウルフは銀貨360枚だがいいか?」


「ええ、問題ないです」


「それじゃ全部で銀貨560枚、毎度ありがとうな!」


「こちらこそ、又よろしくです」


と言ってハヤトは次に錬金術師のダンさんの店に行く。


「ダンさん、ハヤトです。魔石と毛皮を持ってきたので買い取ってもらえますか?」


「おお、ハヤト君か!魔石はファングボアとファングウルフか?」


「はい、ファングボアが2匹、ファングウルフが12匹です」


「ファングボアは皮を入れて@銀貨5枚でファングウルフは@銀貨4枚だな。トータル銀貨58枚だが良いかい?」


「はい、それでお願いします」


ハヤトは財布に入れて自宅に帰って行った。

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