第20話 護衛依頼達成
帝都ベロニカを定刻通り出発して何事も無くやっと国境近くのキースの街にきた。
ここで昼食休憩をとる事になった。
セリーヌとハヤトは定食の煮込みを食べてさっさと車に向かう。
3人の冒険者達は何となく話し掛けたそうなのを分かって居たがだからこそ余計目立ちたくないので避ける様に車に戻ったのだ。
キースの街を出て直ぐに出入国の検問所に着いた。
ここでハヤトは目立たないように車を【次元収納ボックス】に入れてセリーヌと夫々の冒険者カードを出して帝国を無事出てブルネリア王国に入国した。
ブルネリア王国に入った途端、検問所の兵士達が全員出迎え、貴族様の馬車に最敬礼をしている。
ハヤト達が後ろなので兵士のひとりに小声で馬車の貴族様は誰ですかと聞いたらブレット・スミノフ公爵様だと教えてくれた。
"ええ?もしかして国王様の弟の公爵様?"それにしては護衛の騎士達が少な過ぎると驚くハヤトだった。
馬車はその後もひた走り夕方王国第四の都市ルーベンに着いた。
ここで一泊して明日は目的地王都ジュネべに到着する。
ルーベンの宿はこの街で最上級の宿らしく豪華だ。
夕方は公爵様も同伴の食事となり、護衛の慰労会も兼ねた食事会となった。
「この度は護衛の任、少ない人数で大変だったであろうが無事ここまで来れた。皆大儀であった!儂はブレット・スミノフ・ブルネリアでこの者は我が娘のクラウディアだ」
「クラウディアです。宜しく」
「私は騎士団長のジム・オラサバルだ」
「私は今回護衛依頼のリーダーを任されたアンディーです。Cランク冒険者です」
「私は同じくCランクの冒険者のトーマスです」
「私は同じくCランクの冒険者のエミーです」
「私は家内とパーティを組むAランクのハヤト・クレナイです。隣りが家内のセリーヌです」
「ハヤトの家内のセリーヌ・エルミナ・ロドリエルです」
「失礼ですが貴殿はエルフ国の王女セリーヌ殿ですか?"滅亡の弓"の二つ名を持つAランクの・・・」
「はい、以前はそう呼ばれいた時も御座いました」
「それとハヤト殿はあの『蒼のダンジョン』を半日で制覇し、冒険者登録後2週間でAランクになったハヤト君?ドラゴンスレイヤーの?」
「はぁ、公爵様に迄話が行ってましたか!」
「いやいや、それならワイバーンの件は納得じゃ、本当にすごいもんをみせてもろうた」
「さあさあ、皆さんどんどん食べて下され」
その後は皆出てくる料理を食べてお開きになった。
公爵様達は3階の部屋に騎士団達と上がり、ハヤトとセリーヌも2階の部屋に行こうとした時、
アンディーが「ハヤトさん、この度は色々失礼の段、申し訳ない。冒険者成り立てと聞いてリーダーにしゃしゃり出て恥ずかしいです」
「いやいやとんでもない、経験はアンディーさんの方が数段豊富なんですから私は何とも思って無いですよ、色々楽しかったですし」と言ってセリーヌと部屋に上がって行った。
残った3人はフーっとため息を付きエミーが「セリーヌさんが王女様っていうのも驚きだけど、2週間でAランク?しかも半日でダンジョン制覇してドラゴンスレイヤー?信じられないわ!」
「恐らくSSSランクだろうね彼は」とアンディーが言った。
「今夜は寝れそうにないな!」と呟く3人だった。
翌朝ルーベンを出発してその後は順調に夕方前に王都ジュネべに着いて公爵様達と別れ5人はギルドに行って受付にカードと依頼達成の証明書を出した。
2階から丁度副ギルドマスターのクローディアが降りてきてセリーヌを見ると慌てて丁寧にお辞儀をした。
「クローディアお久しぶりね!」
「王女様お久しぶりです。本日はクエストでも?」
「ええ、旦那様と護衛依頼完了の報告よ!」
「旦那様?」
「えぇぇ!ハヤト君?」
「セリーヌ、討伐した魔物を素材置場に入れてくるから、護衛依頼のお金貰っておいて」
ハヤトはオーク40頭、ワイバーン1頭で金貨24枚の納品書を受け取り再び受付に出した。
カードに護衛依頼の金貨2枚と魔物の金貨24枚、合計金額、金貨26枚を入れた。
クローディアが「王女様が何処でどうハヤト君としりあったか分かりませんがおめでとうございます」と言って驚いていた。
アンディー達ともここで別れて、ハヤトとセリーヌは【転移】でケープの"せせらぎ亭"に現れた。
「ミーシャさん、今戻って来たけど部屋空いてる?」
「205号室、空いております」
「それじゃ2泊お願いします」
そう言ってカードで銀貨3枚と銅貨20枚を支払いキーを受け取った。
二人は直ぐに一緒にシャワーを浴びて着替えて夕食を食べに降りてきた。
結構食堂は冒険者で混んでいたがいつもの様に目立たない場所を取って定食を頼んだ。
久しぶりに食べる”せせらぎ亭”の食事だ。
二人で明日からの予定を色々話し合った。
「セリーヌ、相談が有るのだけど、このケープの街に家を買ってこの地をベースに冒険者をしない。帰る地が有るのは落ち着くと思うのだけど」
「私も同じ事を考えて居たので大賛成ですわ、早速明日商業ギルドに行って物件を見に行きましょう」
二人は夕食を食べ終えて明日からの事を楽しみに2階に上がるのだった。
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