探求の果ての彼方へ
雲色 翼
プロローグ
プロローグ
この物語は世界を救済する者の物語である。そこにあるのは正義か哀しみか、それは果てしなき苦難の道であった。
その旅路の果てに世界を救えるのか。果たして世界の救済を成し遂げ得るのか。そんな正しきを追求せし探求者の物語である。
この世界に異世界より召喚されし勇者が現れた。彼らは世界を救う為に呼ばれた。
救う為に知識を求め、力を求めて彼は歩んでいった。救いの道を。救うためになにが必要か求め続けた。多くを犠牲にしながら,ただただ大切な人を死なせたくがない為に…。
私はこの世界を救う為に悪しき者たちと戦い続けた。魔物や魔族とも戦った。
救う為に戦い続けた。私はそれを成さねばならなかった。
私に求められた役割はとても重く,とても成し得るか不安だった。強大な敵を共に打ち倒し多くのものを救うために働き続けた。
帝国の王より直々に指名されて与えられたその任務は大変至難な役割であった。
何しろ異世界より召喚されて来た人間で、戦った事もなく、まだ若く未熟だったから。
太古の昔、人間達は世界を救うために能力のある人間を召喚する方法を編み出した。それが勇者召喚の術だった。なぜ召喚なのか、それは現存する人間では能力が低く驚異に抗え切れないかったから。勇者召喚の術はかつての英雄や、時空間を超えて異世界から能力のある人間を召喚する事ができた。
異世界より召喚された者達にはそれぞれ特殊スキル、ギフトが与えられていた。かつての英雄を呼ぶよりもそちらの方が能力に秀でていたから当然そちらを呼ぶ事になった。
ギフトとは特定の人物にしか与えられない固有の能力。強力な能力故神によって授けられた恩恵としてギフトと呼ばれていた。特殊スキルとは普通の人間が努力してもなかなか得られないようなスキル、それはもはや天賦の才能。それを持っている人間は少人数しか存在しなかった。勇者召喚にて召喚される者達には取り分け強い能力の特殊スキルを持っていることが多かった。
しかし召喚された彼らは異世界人でこの世界の事を何も知らない。彼らには魔物の事も魔法の使い方すらもわからなかった。
知識がなかった。戦う術も魔法の扱い方すら知らなかった。だから彼らにはこの世界の事を知ってもらい、戦い方を学んで貰って戦って貰わねばならなかった。
恵まれ優れた能力が与えられていても何も知らない彼らはスキルを使いこせようが無かった。そんな彼らが戦いに出ても、あっという間に死んでしまうだろう。
能力があっても能力を使う人間が未熟すぎれば当然そうなる。だがそれでは困る。どうにか彼らにこの世界の為に戦って貰わなければいけなかった。
そんなすぐに死んで貰っては難しい儀式を必要とする勇者召喚の術を使った意味がないから。
儀式の準備に1年もの時間がかかっていた。再びやり直すわけにもいかなった。何人もの司祭に協力してもらって7日7晩祈り続けてもらわねばならなかった。
術の発動をするのに何人もの魔道士が命を落として贄となっていた。儀式にはとてつもなく大変な労力がかかっていたのだ。
だからこそ彼らを帝国の城にて保護し、この世界について学ばせていく事になった。
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