エゴの取り方のススメ

 よくBBTで少し面倒くさいと言われるシステムとして『エゴの取り方』について言及されることがある。

 エゴと絆の表現はBBTの利点であり、プレイヤー目線ではこれを楽しめるか楽しめないかで、BBTをしっかり遊べているかが大分変ってしまうと私的に思っている。

 勝手な1個人の意見ではあるが、この項目ではBBTを円滑に遊ぶためにも『エゴの取り方』を3つに分けて説明していこうと思う。


 1.『状況に合わせたエゴを取る』

 まずエゴを取る際にだが、第一変異や第二変異の際に少し気を付けたほうがよいと思ったことを述べる。

 それは『これから変異させるエゴの内容は状況にあっているか?』だ。

 例えば敵と戦っている状態の際に【いわしの良いところを語る】というエゴを取ったとする。

 考えてみて欲しい。敵と戦っているのにそんなエゴを表現するRPする余裕があるのかと。

 やろうと思えば出来なくはないかもしれない。しかし、敵と戦ってる際は特に戦闘の処理を自分もGMもしている。戦闘の処理、戦闘のRP、戦闘の戦略。

 考えることは幾つもあるというのに、そこにまた180度違う思考を追加させるようなRPする余裕があるというのかという話だ。

 なのでそれよりも、もっと状況に合わせたエゴ、例えば【敵を倒す】などの簡易的なエゴを取ったほうが簡単に済むのだ。

 情報収集をしている時ならば【情報を集める】。仲間とやり取りをしているならば【相手を理解する】。敵が目の前ならば【敵と相対する】。

 なぜ簡単に済ませる必要があるか? それはエゴというのは複数あるからだ。

 更に一つのエゴを済ませた後に変異が発生し、次々とエゴは増えていく。

 そうして増えるエゴ、ゲームとしての処理を進めていくと、あっという間にクライマックスに入っていく。

 BBTの難しさ。ただ、この難しさに立ち向かうのではなく、ハードルを下げ、まずは【エゴを表現し、罪を全部しっかり取る】ということに慣れて行って欲しい。


 2.『状況+1のエゴを考える』

 状況からのエゴに慣れてきたのならば、次は更なる+1を考えてみよう。

 この+1とは一言で良い。

 例えば『敵を倒す』ならば『【嫌いな】敵を倒す』という風でよいだろう。この一言でどうだろうか?【敵】という言葉に少し深みが増したように感じるだろう。

 一言があるかないか。それだけでもエゴはどんどんとキャラクターの表現としての道具としてとても良い方向に機能してくれる。

 『【嫌な】敵を倒す』『【最低な】敵を倒す』『【好きな】敵を倒す』『【怖い】敵を倒す』『【弱い】敵を倒す』『【最高な】敵を倒す』。

 そうした一言は色々あるが、これによりキャラクターが【敵をどう思っているか?】という簡易的な表現として機能するのだ。

 これが出来れば、エゴの表現としては完璧な部類に入る。

 これ以上のことは正直言うと蛇足であり、ここまでの内容が自然と出来るようになればBBTというTRPGの特徴の一つである【エゴの表現】を完璧にマスターしたと言っても過言ではないだろう。

 これをすることにより、自分が思うキャラクターを自分だけではなく、他プレイヤーたちにも知ってもらえるようになる。

 そうした時に共感し、賛同してくれる人がいてくれると更にゲーム中は盛り上がることが出来るだろう。

 

 3.『エゴの内容を更に発展させていく』

 さて、ここからは蛇足になるのだが、更に付け加えられるような文章や、最初からエゴを考える内容を話していく。

 難しいことを言っているような気がするが、これもまずハードルを下げていこう。

 キャラクターの設定、そこから何か一つでいいのだ。それをエゴにしてみよう。

 例えば『チョコレートが好き』という個性があったとする。これに付随するエゴはなんだろうか?

 『チョコレートを食べたくなる』『チョコレートが気になる』『チョコレートを触る』『チョコレートに夢中になる』などなど色々あるだろう。

 これだけでも立派なエゴになる。エゴとはそんな小さな執着を表すものでもよい。

 それだけでもエゴとしてのキャラクターの表現になるからだ。

 こういうエゴは事前に考えておくとよい。それかGMに相談し、初期エゴの内容を自由に変えてよいか聞いてみて、良いならばそれにしてみるのも面白いだろう。

 ここに1.『状況に合わせたエゴを取る』の内容を追加しよう。

 例えば『敵を倒す』ならば、『【チョコレートを食べたいから】敵を倒す』などはどうだろうか?

 変なエゴであるが、個性があると私的には思っている。

 チョコレートに対する執着が見えるし、チョコレートのために戦っているというのは個性的で面白い。

 こうした変なエゴが、その変なところがキャラクターの執着を出す道具となってくれるのだ。

 魔物とは人間ではない。人間の常識の枠から出たエゴであってもそれは個性として収まるものであり、ありえないなどということはない。

 好きなエゴを表現しよう。挑戦してみよう。ありえないなんてことはありえない世界で。

 魔物とは個性の塊だ。だからこそ、エゴを記すことはきっとキャラクターを演じる上での助けになってくれるはずだ。

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