ビーストバインドトリニティについて
ビーストバインドトリニティとは
私はビーストバインドトリニティ(以下BBT)とは要するに縄張り争いのTRPGだと認識している。
ボスである『ドミネーター』は『ドミニオン』という特殊空間を展開する。
この『ドミニオン』は内容によっては様々だが、この『ドミニオン』とは『ドミネーターの縄張り』そのものだと考えているからだ。
PCである『半魔』も一番主たる動機というのは基本的に『自身が関係してる範囲内を守る』ことが一番の動機であり、これをBBTではよく『日常』と表現する。
PCが大切に思っている『日常』の範囲内において何かあればPCたちは動いて守るし、ドミネーターたちが悪さしているならばドミニオンに侵入し、排除する。
BBTではPCたちの正体は人間ではなく、人ならざる者『魔物』であることで、コンプレックスを生ませ、人々との社会にどう接していけるかの多様性を含ませていっているのが、BBTのうまいところで、魅力的なところで、極端に言えば『魔物』とは他TRPGでいう敵キャラや頂上的なNPC的存在であるであると私は思う。
魔物たちは決定的に人間と違う社会を持った存在であり、別格的存在でもある。
クトゥルフ神話TRPGなら排除対象になるか、触るな危険な奴になるような対象が、本当は違う社会に属しているはずの『魔物』たちが人との交流を求め『日常』に溶け込んでいくという異様さを許容するところが、BBTの懐の深いで楽しいところだろう。
実際『絆』を持たない魔物は半魔と呼ばれず、人間社会に出たら排除対象になるのがこの世界のシビアなところ。
だというのに、魔物たちが排除対象ではないのはそうして『絆』を得た半魔たちはもう『日常』を侵さないという確信がどこかにあるということの信頼の表れであると私は感じ取れた。
そんな『大切な日常』をボスである『ドミネーター』たちは犯していく。
そうして『ドミネーターの世界』と『PCたち半魔の日常』との縄張り争いが始まっていく。
ビーストバインドトリニティとはそんなマフィアとヤクザみたいな縄張り争いの物語であり、『絆』と『エゴ』という『魔物』と『半魔』の縄張りを行ったり来たりする半端者たちの尊い『日常』の物語であると、そうして私は結論付けたのです。
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