前のエピソード――第8話　いざ、魔物退治！

魔法を使えるようになった翌日、俺は冒険者ギルドに来ていた。冒険者としての依頼をこなすためである。

「おはようございます。今日は任務を受けに来たのですが…」

すると、昨日冒険者登録をするときのお姉さんが来て、

「おはようございます。任務ですね。分かりました。」

そういって紙を渡してくる。

「これは…」

「こちらは依頼を受けるときの注意事項です。時間のある時にお読みください」

「分かりました（まぁ先生が教えてくれるでしょ）」

「ん？なんかいいましたか？」

「いえ、大丈夫です」

「では現在受注可能な依頼一覧です」

そういって目の前に紙が出された。そこには

【薬草集め　報酬銅貨30枚】

【狼狩り　報酬銀貨2枚】

【魔物の領域の捜索　報酬銀貨10枚】

【商人の護衛　報酬金貨1枚】

などが書かれていた。

「…どれがお金稼ぐのに効率いいですか？」

「私からはなんとも言えませんね…【商人の護衛】は遠征となるので時間はかかります」

「なるほど…（先生はどう思う？）」

《賢者の知識：まだこの街に留まるのであれば、護衛はするべきではないと思います》

「（だよなぁ…）今回は魔物の領域の探索にします」

「分かりました」

そういってお姉さんは何やら紙に書いた後、

「それではいってらっしゃいませ。依頼の内容はそちらの紙に記載しておりますので後ほどご確認くださいませ」

そういって紙をまた渡してくる。それを持って俺は、冒険者ギルドを後にするのだった。

「ここが調査対象のフィロー大森林か…」

俺は受けた依頼を遂行するため、調査対象である『フィロー大森林』に来ていた。ここで何をするのかというのは…いうのは…

「何だっけ？」

《賢者の知識：マスター。忘れたのでしょうか？》

「あ、ああ…」

《賢者の知識：ここにある洞窟を探りに行くのです。紙を見れば分かるのですがね…そして行った証拠を残すために『記憶のかけら』をもらったではないですか》

そうだった。こういった依頼をしないで報告する人が稀にいるため、そこに来ましたよ〜って証拠を残すためにこの『記憶のかけら』という魔道具が存在するらしい…使い方はとても簡単で、『記憶のかけら』をその調査対象の場所に持っていけば光るというものだ。光ったらそこに来た…つまり依頼達成という扱いになり報酬を受け取ることができる…というなかなかに優れた品物だ。GPSみたいなものか…

「まぁとっとと行って依頼を済ませよう」

そう決心して俺は洞窟へ足を向けるのだった。