第7話 魔法を使ってみる

「さて、ここからは俺が使える魔法の練習も含めて魔物討伐をするか…」


空いた時間をそう使おうと決め、ヒルラード平原でも魔物がよく出現するというエリアにやってきた。今現在使える魔法は、火に水、それに雷の3種類なのだが、いまいちレベルのことがよく分からない。


「先生、魔法属性の横に書いてあるレベルって何?」


《賢者の知識:それは魔法を使うと上がっていきます。上がることによってATKが上がったり、また属性関係のスキルを手に入れたりすることができます。最高レベルが100で、100になるとMAX表示になるようです》


「なるほど…ってことは魔法自体ははじめから何でも使えるってわけかな?」


《賢者の知識:何でも使うことはできます。しかしこれもさっきの『魔法創造』みたいにMPが足りないと使えない魔法もあるのでそこは注意してくださいね》


「なるほどね…なんとなく分かってきたかも」


そんな会話の後、俺は実際に戦ってみることにした。



「いや、強すぎでしょ〜」


俺は逃げていた。狼から。AGIが高いおかげで逃げられているが…


《賢者の知識:マスター!魔法を使わないのですか?》


「いやだって魔法の使い方分からないし〜」


そう言いながら逃げていると、


「…我が身に宿る魔力の数々よ、我が命に従いこの場に具現化せよ。『水槍アクアジャベリン』!」


そんな声が聞こえてきたと思った次の瞬間、狼が吹っ飛んでいた。


「…え?」


「いや〜君危なかったね!もうちょっとで死ぬところだったよ?」


声の聞こえた方を振り向いてみると、ローブマントに身を包んだいかにも魔法使いな男の人がいた。


「助けてくれてありがとうございます。あなたは一体…」


「しがない冒険者さ。君は新人冒険者かい?」


「はい」


「そうか。俺はサルクという。ランクはBだ。」


「タイガです」


「タイガか…このあたりは狼とか結構出るからな。気をつけるんだぞ」


「分かりました」


そう返事すると、サルクと言った人はどこかに行くのだった。後にサルクとタイガは再会し、世界を揺るがす一大事をおこすのだが…それはまだ先の話である。


「先生…事前に魔法の使い方ぐらい教えてくれよぉ…」


《賢者の知識:次からはそうします。魔法を使う時、基本的には自身のMPを発動させたい場所に集めるイメージをするんです。さっきのサルクという人ははじめの呪文みたいなやつでそれを行っていたんでしょう》


「なるほどね…ってことは全然無詠唱でも良いわけだ」


《賢者の知識:極論いえばそうなりますね。しかしはじめの方は技の名前だけでも言っておいたほうが良いかと思います》


「…分かった。じゃあ早速やってみるよ。そういや魔力って何?」


《賢者の知識:マスターで言うMPです。魔力のほうが分かりやすいならステータスもそちらに変更できますがいかがなさいますか?》


「え?変更までできるの?」


《賢者の知識:『言語理解』スキルによりマスターの分かりやすい言語に変更は可能ですが…》


「じゃあお願い」


そういって俺は魔法発動に全力を注ぐ。しばらくして、


「お!」


といった途端、てのひらから『水球ウォーターボール』がでた。


「なるほど…感覚は掴んだし、魔物を倒しに行くか…」


いよいよ、俺は魔物を倒しに行くのだった。

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