第6話 ユニークスキル《魔法創造》
「いやーめっちゃ高く売れて良かった…」
薬屋に行った俺は、ヒルラードの街に来る道中に《鑑定》スキルを使い集めた薬草などを売った。俺の中では「この1週間分の宿代が貯まればいいな〜」なんて思っていたのだが、今泊まっている宿(朝昼夜の食事+風呂付き)にしばらくは泊まれるだけのお金を稼いでしまったのだった。
「さて、ここからどうするかだが…先生。そういや魔法の説明してもらっていなかったな。魔法の説明してくれる?」
と聞いてみた。先生は、
《賢者の知識:はい、マスター。魔法の説明ですね。魔法とはスキルとは別の強い能力を持ったものです。基本的に人は4大属性(火、水、風、地)とその他の特別な4属性(雷、氷、光、闇)の計8属性のうち1つしか使えないことになっています。さらに各属性の上位魔法ともなると、街を1つ滅ぼせるだけの力を秘めており、単純な攻撃力だけならばスキルより強いとまで言われています》
「ふむふむ…つまり本当なら魔法属性は1人1属性ということだな?俺はおそらく《魔法創造》といった特別なスキルがあるからたくさん属性を持てる…と先生は言いたいわけだね?」
《賢者の知識:そうですね。ちょうどいい機会です。《魔法創造》のスキルを使いますか?》
「それはいいな。しかしここなら建物に被害が出そうだ。どこかに魔法の練習ができそうな平原はないかな?」
《賢者の知識:この街の東側に小規模ですが魔物の領域があります》
「よし!じゃあまずは《魔法創造》の使い方を覚えてやる!」
そう決心した俺は、急いでその魔物の領域へ向かうのだった。
「おおー!広いな。これがヒルラード平原かぁ…でも魔物の領域と言う割には魔物、いないじゃないか」
《賢者の知識:ここは小規模ですので…面積の割に魔物はいないんです。》
そういうことなんだ…面積は広いけど魔物が少ないから小規模扱いされているようだ。しかしなぁ…今までの俺の経験上、こういったところにはバカ強い魔物が潜んでいるんだよなぁ…例えば龍とか。そんなことを考えていると、
《賢者の知識:ではマスター。早速『魔法創造』を使ってみてください》
「使ってくださいって言われてもな…先生、どうやって使うんだ?」
《賢者の知識:まずはどんな魔法を作るのか具体的に想像をしてください。想像した魔法を思い浮かべながらその魔法を放出するようなイメージで手を前に出します。そうすれば魔法が作れると思います》
「なるほど…」
《賢者の知識:しかし何でも作れるということはないのでそれだけは覚えておいてください》
「…どういうことだ?」
《賢者の知識:『魔法創造』スキルも万能というわけにはいかないのです。魔法を作る際、MPを使用するのでMPが足りない…つまり自身のレベルが低い時は魔法は作れないんですよ》
「ええ〜!?」
それじゃ今は何も作れないってことじゃないか…すっかり落ち込んでいると、
《賢者の知識:作れないことはないですよ。しかしできた途端MPが切れて倒れ込むことになりますが…》
「じゃあやっぱり今は作れないってことだね…」
今回作るのは諦めよう…そう思って俺は他にできることをしよう…と決めたのだった。
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