第4話 冒険者ギルド
ザルガさんと話した後、俺は冒険者ギルドに行った。無論、お金を稼ぐため冒険者になるからである。あとは素材を買い取ってくれるところを聞かないとな…と思っていながら受付へ行った。
「こんにちは!何の用でしょうか?」
受付では感じの良さそうなお姉さんがいた。いわゆる受付嬢だろう…と思いながら、
「こんにちは。冒険者の登録に来たんですけど…」
「新規登録ですね!それならこちらへどうぞ!」
といってなんか水晶がある場所に連れて行かれた。そこで、
「こちらの紙に必要事項をお書きください。書き終えましたらこちらの水晶にその紙とご自身の血液1滴を当てていただいたら登録完了です」
「分かりました」
そういって渡された紙を見る。そこには名前と所持スキル、さらには攻撃手段まで書かないといけないらしい…
「なぁ先生。俺の持っているスキルの中で書いても問題ないやつある?」
《賢者の知識:アイテムボックスと鑑定なら書いても大丈夫かと。どちらも使い手はなかなかおらず希少ですが、持っている人は一定数いますので。しかし魔法創造はマスターしか持っていないので書くのはやめておいた方が良いと思います》
「隠蔽は?なんかたくさんの人が持っていそうだけど…」
《賢者の知識:隠蔽って書いてしまうとステータスチェックの時にバレるかと思います》
「え?ステータスチェックなんてあるんだ…」
《賢者の知識:そのあたりは登録後に説明を受けると思います》
「そっか。ありがとな!」
先生が言ってくれたとおり、スキル欄には《アイテムボックス》と《鑑定》を書いた。攻撃手段も変わる人はたくさんいると受付のお姉さんが言ってくれたのでとりあえず《魔法》と書いておく。しかし困ったのは名前だ。フルネームで書くとなんか怪しまれそうだし…ここも先生に頼らしてもらおう。
「先生。俺の名前っておかしいかな?」
《賢者の知識:少しこの世界と合わないようですね。名前だけの人も珍しくないので名前だけ書くことをおすすめします》
「そうか」
なので名前欄には地球でも散々使っていた《タイガ》のみにした。
「あのーできました…」
「はーい。…はい、ちゃんと書けていますね。これなら問題ないでしょう。ではこの水晶に血と紙を当てて…」
そういわれたので当てる。すると一瞬水晶が光ったがすぐに止んだ。
「はい、これで登録完了ですね。こちらがギルドカードになります。これを無くすと再発行に銀貨20枚必要となりますのでご注意ください。また、年に1回ステータスを拝見させていただく決まりになっておりますのでこちらもご注意ください」
「分かりました」
「ここからはランク制度について説明させていただきます。冒険者ランクはGからSSへと9段階に分かれています。それぞれ依頼制度が存在しており、一定の実力があると判断したらこちらから昇級依頼を出します。それに単独でクリアできたら晴れて次の級というわけです。ここまでで質問は?」
「いえ、特にないです」
本当にないのだ。なぜなら俺が前にハマっていたRPGの冒険者制度も似たようなものだったからだ。ここでもゲームの知識が役に立つとは…皮肉なものだと思って冒険者ギルドを出たのだった。
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