🚱15 火の玉
私達のような未成年の女子に危ないことをさせる神経を疑ったけど、それも含めて
若者が抱えている石材の台座には、ありがちな、大玉の水晶玉が柔らかい厚地の布に包まれて鎮座していた。
「これに触れて瞑想なされば、
まだ、引き受けるとも、魔物を退治なんて可能なのかの確認も出来てないのに、強引にやる前提で話を進める代表者っぽい男性。
「瞑想とか言われても⋯⋯」
「手を添えるだけでも、だいたいは解るはずですから」
ここで突っぱねてもごねても先に進まないと思ったのか、実は興味があったのか、
水晶玉が芯の方で淡く光り出し、本当に何かドッキリ企画じゃないのかという疑いが再び
静電気で放電するああいうガラス玉あったよね。
芯の方の光は金色に変わり、その中から赤い蛍火のようなものがふわふわと出て来て
「な、何なの? これ」
「おお、御遣い様の加護は身体強化と防御──身を護る力ですな」
「この赤いのが?」
「い、いやいや。今説明させていただきましたのは、女神様からの加護で強化された、元々御遣い様の持たれているお力です」
「その赤い
「火の術がお得意なのでございましょう」
「術なんて使ったことないわ。忍者みたいに火を放てるとか、ゲームみたいに火の玉を発生して投げつけたり出来るって事?」
「
赤く仄光る自分の手を眺めながら、握ったり開いたりする
「ゲームとかだと、ここで火をイメージして『ファイア』とか言うと手に火が⋯⋯」
そこまで話して絶句する
なぜなら、本当に手の平に火の玉が現れたからだ。
「さすがです。使ったことがないとが仰ってもすぐに使いこなしておられる」
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