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  • 挨拶は抜きに致します。

    序盤での、現実の事件捜査とはかけ離れた展開(凶器がロープであると明かすなど)に、読者が「これはいわゆる推理を楽しむ小説なのだな」という心の準備ができるのは良いです。
    この時点で、読者は科学捜査で解りうる事実と、捜査のリアリティはある程度排除します。
    そうなると、この小説で言えば「事情聴取」で犯人を突き止めるのだと認識します。
    その上で、「スローロリスの密輸」は動機として早い段階に気づく程表に出しすぎな気がします。少なくとも私は1話でそうであろうな、と思いました。
    そうなってしまうと、「スローロリスと犯人との結び付きをどう暴くか」に注目する訳ですが、冷蔵庫に餌を探すというのもあまりにもご都合主義で、壁紙の件も見抜いた理由としては薄いです。
    ひとことで言えば全体的に「ドラマ性」がありませんでした。

    この作品の完結から随分時間が過ぎていますね。次作に期待したいと思います。

  • 小鬼の正体がスローロリスで、殺人の裏には密輸、アパートの特徴に唯一そぐわない犯人、という骨格のアイデアが素晴らしかったです。

    一方、個人的に気になったのは、文章量に比べて内容が詰め込みすぎかなと思いました。人物紹介だけで終わってしまってこの人が犯人かもという怪しさが出てこず、推理も試行錯誤することなくあっという間に解決してしまい、犯人が殺人まで思い詰める根拠も薄いように感じました。

    犯人候補を3人ぐらいに絞ったうえで(名探偵コナンなんかはこのケースが多い)、犯人候補の紹介から、推理、動機まで、もう少し全体的に書き込みを加えると、ぐっと面白くなりそうです。

    もしくは、なかなかハードルは高いかと思いますが、登場人物数はそのままに長編化するということも考えられます。

    作者からの返信

    読んで下さった上にコメント頂きありがとうございます!登場人物や容疑者を絞るというのが勉強になります。短編にしようと思ったのですが、それゆえに人物や事件、心情に対する描写の深さに欠けていたことに気がつけました。参考になるご意見ありがとうございます!!