THE GIRL'S NEXT MONSTER
齋藤深遥
誰かの記録-1
集え、怪物。音楽の異種格闘技戦、開幕。
日本最大規模の女子高生対象の音楽表現のコンテスト、「ガールズ・ネクスト・モンスター」の開催致します。
対象は今年の高校一年生から三年生の年齢にあたる女性。音楽を主とする表現、パフォーマンスを行うのであればプロアマ問わず、人数も自由です
SNS上に投稿する定型文をカチカチと打ち込む。ふと画面から目を離してあたりを俯瞰した。
3年もあれば随分と世界は変わるもんらしい。それほどネット世界の流れは早かった。
私も変わった。ただの1人の人間で、平社員だった私はいつの間にか私は役員に加え、これの運営事務局長として次第に大きくなるコトを具体的に動かす職へと就いた。
そしてこれは私のとある可能性を試す場でもあった。
とある実験と称せば聞こえが悪い。私の使命は非常に私的でどうしようもないことを考えてしまったことをどうにか公的で皆に共有できる認識にして作りかえ、それをもたらすことであった。
とはいえ、私もそれ相応に不恰好ながら成功を収めた人間でもある。耳を傾ける人間は多い。というか、その不恰好というのが逆に共感を得やすいらしい。人情というのはなかなか面白いものだ。
少し今までのことを振り返った私はとあるテキストファイルを開いた。
もうすぐだ、もうすぐで私の見たい景色が始まるのだ。
それがきっと最良の形で終わると信じて、私はここに記す。
ガールズ・ネクスト・モンスター。
開催の知らせは日本全土を駆け巡り、いくつもの少女たちの運命を変えることになる。
と書き残し、私は再び伸びをした。
少女たちは約束を果たすために
少女たちは再び求めるものを手にするために
少女は感情の赴くままに一歩を踏み出し
少女たちは自分の存在証明のために
少女たちは伝統を守るために
少女たちはまた前を向くために
これはそんな少女たちを追った長きにわたる激闘とそれを彩った数々の音楽の記録である。
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