第276話 癒やしの天使レイチェル

 その夜、レイチェル・エイントワースは、ジェスティーナ王女から夜伽を命じられ、シュテリオンベルグ公爵の部屋を訪れるように指示を受けた。


 レイチェルが、公爵の元へ来てから既に半年近く経っていた。

 父に連れられ、当時伯爵であったシュテリオンベルグ公爵と面接し、ピアノの才能を見出されて、アクアスターリゾートのスタッフに加えられたのだ。

 当初、父には伯爵の妾となり、子を授かるのだと言いつかったのだが、これまでその機会もなく、毎日アクアスターリゾートの滞在客ゲストの前で好きなピアノを弾き、喝采を受けることに歓びを感じていたのだ。

 

 自分の趣味の延長であったピアノを弾くことで人々から癒やされると喝采を得られるまでになるとは思いもしなかった。

 これもシュテリオンベルグ公爵のお陰だと心から感謝していた。

 その恩に何とか報いたいと思っていたのたが、思いがけずジェスティーナ王女から公爵の夜伽を命ぜられ、部屋の前に居るのである。


 既に公爵様は寝ていたようであるが、ドアをノックするとわざわざ起きて応対に出てくれた。

「ご主人さま、夜伽に参りました」

 そう言うと、公爵様は無言で頷き中へ迎え入れてくれた。


 レイチェルは、ベッドの脇に移動すると、命じられた通り純白のナイトウェアを1枚1枚脱ぎ、生まれたままの姿になった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 レイチェルが、うちのスタッフとなってから、既に半年近く経った。

 アクアスターリゾートで滞在客ゲストが食事する際にBGMとしてピアノ演奏させるのを思いついたのはオレであるが、今では人々の心を和ませる『癒やしの天使』の愛称で呼ばれ、スタッフの一員として無くてはならない存在となっていた。


 そのレイチェルが『夜伽』を命ぜられ、オレの部屋をノックしたのだ。

 恐らくこれは、ジェスティーナの差金であろう。

 それは、ジェスティーナが真にファミリーの一員としてレイチェルを認めたと言うことだ。


 レイチェルを部屋へ招き入れると、彼女はベッドサイドへ移動し、ナイトウェアを脱ぎ捨て裸となった。

 背中までの黒髪ポニーテールに黒い瞳、一見すると日本人のように見える癒し系の美少女が、緊張して立って居た。

 そのボディラインは十分に魅力的で、オレの男をそそる破壊力を秘めていた。

 

「ご主人さま…、わたし初めてですが…、宜しくお願い致します」


「こちらこそ、宜しくね」

 レイチェルとは、一度際どいところまで行ったことがあるが、その時は一線は越えなかったのである。

 オレは、レイチェルを抱き寄せ、彼女のぷるふわの唇にキスした。

 彼女もそれに答えてオレの唇を求めてきた。

 レイチェルからは、甘い柑橘系の匂いがした。


 レイチェルを、そのままベッドへ押し倒し、左手で彼女を抱き寄せ、右手で柔らかい彼女の乳房を揉んだ。

 張りのあるスベスベで弾力のある乳房の感触を存分に楽しみ、首筋から乳房へと舌を這わせる。

 レイチェルの全身に舌を這わせ、スイートスポットをじっくりと攻める。


「ご主人さま、今度は、私にご奉仕させて下さい」

 そう言うとレイチェルは、ポニーテールをゆっくりと上下に揺らしながら、オレを刺激し始めた。


 ♥ ♥ ♥ ♥ ♥


「レイチェル、そろそろ入れてもいいかな…」


「はい、お願いします」

 レイチェルは、ベッドに横たわった。


 ♥ ♥ ♥ ♥ ♥


 レイチェルはオレの首に両手でしがみつき、小さな声で喘ぎ始めた。

 快感がオレの全身を駆け巡り、それに合わせてレイチェルも少しずつ感じ始めていた。

 レイチェルの喘ぎ声は実に可愛らしく、まるで彼女のピアノのように心地よく部屋全体に響き、癒やしを与えてくれるようであった。

 彼女は仰け反りながら全身で感じ、背中までの黒髪ポニーテールと形の良い乳房を揺らし、実に愛らしい声を上げた。

 

 ラブポーションの効能により、処女喪失の痛みは最初だけで、既に全身を快感が支配しオレの上でレイチェルは一心に腰を振っていた。


 やがて2人は絶頂に達し、彼女を抱き締めながら快感の余韻を愉しんだ。


「ご主人さま、ありがとうございました」


「レイチェル、お疲れ様。

 初めてのセックスは、どうだった?」


「はい、すごく気持ち良かったです

 もう1回したいですが、宜しいですか?」


「ああ、もちろんだよ」

 その日は深夜まで、レイチェルと体を重ね、彼女はオレを癒やしてくれた。

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