第262話 エルドラード・リゾートと公爵邸
エルドラード・リゾートは領都のシュテリオンベルグ城(公爵領公邸)に併設された滞在型リゾートホテルである。
このリゾートは、サンドベリア海岸から1.7kmほど離れた断崖絶壁の上に建ち、台地状になった断崖の高さは120mもあり、切り立った崖が延々と続いている。
眼下には、サンドベリア海岸の美しい風景が広がり、
シュテリオンベルグ城は、近世の古城、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城のような城と言ったら分かり易いだろう。
外見は古城であるが、中は現代日本の快適設備に神テクノロジーをプラスしたハイテク仕様となっている。
地上18階相当の建物(高さ72m)を建てて、上階の7フロアを領主邸専用スペース、3階から11階までを超高級リゾートホテルにしたのだ。
このホテルもアクアスター・リゾートと同じような滞在型リゾートにする計画である。
ビーチ沿いには、サエマレスタ・リゾート傘下のホテル群が立ち並んでいるので、客層が競合しないように配慮したのだ。
ビーチに行くには飛行船で行き来するか、ホテルの2階部分(高さ約130m)から海岸まで直通のロープウェイでも行けるようになっている。
ビーチ沿いのロープウェイ駅を降りると、そこはサエマレスタ・リゾートのビーチなので、観光客が売店やレストランを利用することができる。
各フロアの概要は下記の通りである。
シュテリオンベルグ城本館(18階建・2400平米/階)
B1F 動力施設、浄水施設、倉庫、貯蔵庫、警備室
1F フロント、ラウンジ、ミニショッピンクモール、室内プール、庭園
2F レストラン、厨房、カフェ&バー、エステ&スパ、大広間
3~6F エグゼクティブ・スイート 30室(300平米/室)
7~8F プレミアム・スイート 10室(450平米/室)
9~10F スーパー・プレミアム・スイート6室(600平米/室)
11F スイートラウンジ、カフェ&レストラン、厨房、展望露天風呂
12F 来客用スイート 6室(360平米/室)
13F 来客用VIPスイート 3室(720平米/室)
14F 男性スタッフ専用居住区 12室(70平米/室)
女性スタッフ専用居住区 8室(70平米/室)
スカイテラス、スタッフ専用ラウンジ、トレーニングジム
男性用ジャグジーバス
15F 女性スタッフ専用居住区 30室(70平米/室)
女性用ジャグジーバス
16F 領主邸、スカイテラス(吹き抜け)
領主執務室、応接室(3室)、大会議室、小会議室、秘書官控室
17F 領主邸、スカイテラス(吹き抜け)
エンジェル・ラウンジ、ダイニングバー&キッチン、ジャグジー
側室専用室12室(90平米/室)・予備室4室(90平米/室)
18F 領主邸、スカイテラス(吹き抜け)、寝室、居間、書斎
ビーナス・ラウンジ、ダイニングバー&キッチン、ジャグジー
正室専用室6室(120平米/室)・予備室3室(120平米/室)
RF 領主邸、空中庭園、ドーム型ペントハウス、領主専用展望露天風呂
プライベートプール、プールサイドバー、飛行船ポート
上記の他、地上階の屋外に男女別露天風呂とインフィニティ・プール、プールサイドバーがある。
当初は16階建ての計画であったが、婚約者と愛妾、スタッフの人数が増えて、手狭になったので設計変更して、2フロア増設したのである。
因みに別館もあり、こちらは全てホテルである。
シュテリオンベルグ城別館(8階建・1200平米/階)
B1F 動力施設、浄水施設、倉庫、貯蔵庫
1F フロント、ラウンジ、レストラン、カフェ&バー、庭園
2~6F ジュニア・スイート28室(180平米/室)
7~8F エグゼクティブ・スイート6室(300平米/室)
今日は、このリゾートの責任者に任命したアリエスと、アクアスター・リゾートの新社長のエミリア、それとサエマレスタ・リゾートのアンジェラ・サエマレスタの3人を交えて開業までのスケジュールを含め、打合せを行うのだ。
因みに、アンジェラが社長を務めるサエマレスタ・リゾートとは資本提携を締結しており、ホテル運営ノウハウの提供の他、従業員の派遣や教育も行って貰うことになっている。
代わりにこちらからは、予約管理システム等を提供して持ちつ持たれつの良い関係を維持している。
ただ、最近アンジェラとの愛の資本提携の方はかなりご無沙汰である。
オレもアンジェラとは一戦交えたいと思うし、彼女も目でオレに訴えていた。
さて、その話は置いといて、完成した城内を順番に見ていこう。
外見は趣のある古城であるが、中身は現代の高級ホテルのような重厚感の有る内装で、快適に暮らせる最新の設備が完備されている。
まずエレベーターだが、箱型反重力エレベーターを採用した。
反重力エレベーターは最下階の床下に反重力制御装置が埋め込まれており、人が乗り込んだことを感知すると作動する仕組みであるが、床がないと下が丸見えで落下の恐怖感が付き纏い、安心して乗れないと言う意見に配慮し、箱型のカゴに乗って昇降する仕組みなのだ。
一見、普通のエレベーターに見えるが、カゴを吊るワイヤーロープがなく、反重力で昇降する。
行き先階を指定する押しボタンは、非接触型のホログラムスイッチで衛生面やボタンの劣化に配慮されていた。
3人を連れ、最初に客室を見て歩く。
まずは、本館3階から6階のエグゼクティブ・スイートである。
1室当り300平米とかなりの広さだ。
因みに、このリゾートの客室は全室スイートルームなのである。
このホテルで下から2番目のランクの部屋でもこの広さだ。
「広過ぎですよね、うちのスイートが見劣りするくらい立派です」
アンジェラが素直な感想を述べた。
「ホントですね、アクアスター・リゾートが霞むくらい豪華です」
エミリアもあまりの豪華さに呆れ顔であった。
「こんなに豪華なホテル、私が経営して大丈夫なのかしら」
アリエスは、心配そうであるが、それはオレも同じであった。
社長としてのアリエスの資質は、未知数なのだからだ。
エグゼクティブ・スイートには、リビングダイニングと寝室が3つ(各室にクイーンサイズのベットが2つ)、トイレが2つとパウダールームが1つ、全室海側にテラスを配置し、小さめだがプライベートプールとジャグジーがある。
120mの断崖の上にある建物なので、下層階でもサンドベリア海岸の美しい風景が楽しめるのだ。
次に7~8Fのプレミアム・スイートを見に行く。
この部屋は1室当り450平米とエグゼクティブスイートの1.5倍の広さがある。
リビングダイニングが2つと寝室が4つ(各室にクイーンサイズのベットが2つ)、トイレが3つとパウダールームが2つ、海側にスカイテラスを配置し、やや大きめのプライベートプールとジャグジーがある。
次は9~10Fのスーパー・プレミアム・スイートである。
この部屋は1室当り600平米とエクゼクティブ・スイートの2倍の広さがある。
リビングダイニングが2つに寝室が5つ(各室にクイーンサイズのベットが2つ)、トイレが3つとパウダールームが2つ、海側に広いスカイテラスを配置し、大きなプライベートプールとジャグジー、それにサンルームがある。
このリゾートの客室構成は下記の通りである。
ジュニア・スイート(別館) 28室(180平米/室)
エグゼクティブ・スイート(本館・別館) 36室(300平米/室)
プレミアム・スイート(本館) 10室(450平米/室)
スーパー・プレミアム・スイート(本館) 6室(600平米/室)
合 計 80室
建物の大きさの割には、部屋数は少なめで1室当たりの専有面積が広くなっているのだ。
次に公爵邸部分に行ってみる。
ホテルからは直接行けないので、1階まで下りて公爵邸専用エレベーターに乗り換える。
このエレベーターは、側面がガラス張りで、外の景色が見えるようになっているのだ。
オレの専用居住区は16階から18階の3フロアとなり、海側は3フロアぶち抜きの吹き抜けとなっている。
領主執務室は16階にあり、応接室、会議室、秘書官控室と、公爵としての公務を行うための専用フロアである。
17階はオレの愛妾(未来の側室)であるサクラ、ステラ、リーファ、リオナ、トリン、マリン、レイチェル、ナツナ、ミナモが暮らす側室専用室を8室(他に予備8室)用意している。
また、中央部分に側室専用のエンジェル・ラウンジ(ダイニングバー&キッチン、ジャグジーバス付き)を配置し、ここで寛いだり食事や打ち合わせが出来るのだ。
18階は、寝室、居間、書斎など私室のフロアーとなっている。
その部屋を取り囲むようにオレの
正室専用室は、オレの居住区からドア一つで行き来できる120平米ほどの部屋で、それぞれの部屋にスカイテラス、クイーンサイズのベッド、テーブル&ソファ、壁面収納、ウォークインクローゼット、ジャグジーバス、トイレがある。
また、中央部分に正室専用のビーナス・ラウンジ(ダイニングバー&キッチン、ジャグジーバス付き)を配置し、ここで寛いだり食事や打ち合わせが出来るのだ。
14階と15階はスタッフ専用居住区で、男性スタッフ専用12室と女性スタッフ専用38室の合計50室を用意し、14階から18階の間は専用エレベーターで行き来できるようにした。
スタッフの部屋は1室当たり70平米の広いワンルームで、1人で住むには広過ぎるくらいだ。
それぞれの部屋にはクイーンサイズのベッド、テーブル&ソファ、壁面収納、ウォークインクローゼット、バスルーム、トイレが付いている。
また、14階にはスタッフ専用のダイニング・ラウンジがあり、ここで食事とミーティング、休憩などができるようになっている。
総面積は400平米とかなりの広さで、14階以上の住人なら誰でも利用できる無料のドリンクバーとスナックバーがあり、冷蔵庫に常備されている軽食も取り放題だ。
奥にはアイランドキッチンがあり、予約は必要だが朝6時から夜10時までの間であれば、好きな時間に食事が可能なのだ。
ラウンジの海側にはスカイテラスと男女別のジャグジーバス、ミニサウナもあり、ここで日光浴したり温泉に入ることも出来るので、スタッフのリフレッシュには最適の場所だ。
12階と13階は、客間として使うことにしている。
12階は360平米のゲスト用プレミアム・スイートが6室ある。
白を基調にしたデザインで寝室3部屋それぞれにクイーンサイズのベッドが2つ、専用テラスがあり、リビングルームとダイニングルームが1つ、3つの源泉を引いた温泉ジャグジーバスが1つ、パウダールーム1つ、トイレが3つと豪華だ。
13階は1フロアに3部屋のみの720平米のVIPスイートである。
薄いスカイブルーを基調にしたデザインで寝室4つそれぞれにクイーンサイズのベッドが2つ、専用スカイテラスがあり、リビングルームとダイニングルームが各2つ、3つの源泉を引いた温泉ジャグジーバスが2つ、専用インフィニティプール、パウダールーム2つ、トイレが4つと反則級の豪華さだ。
これなら、国王や元首クラスが来ても十分に対応できるだろう。
オレたち4人が打ち合わせをしていると、突然スマホが鳴った。
見るとジェスティーナからであった。
「カイト、大変よ、ドラゴンが暴れているの、今すぐ戻って!」
「えっ、ワレン族のワイバーンが暴れているのか?」
「いいえ、もっと巨大なドラゴンよ。
ソニアは、暗黒龍って呼んでたわ」
ジェスティーナは悲痛な声をオレに伝えた。
「分かった、すぐに戻る」
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