第251話 リアンナ王女の願い

 リアンナ王女はフォマロート王国第1王女にして、この国の正当な王位継承者であり、近い将来女王に即位する女性である。


 そのリアンナ王女が、頬を赤く染め、目を潤ませながら、オレに抱いて欲しいと言ったのだ。

 これまで女性として意識しなかったと言えば嘘になるが、敢えてそう見ないようにしていたのは確かだ。


 今、改めてリアンナ王女を見ると、実に魅力的な女性であると改めて気付かされた。

 ウェストまでのゆるふわウェーブの金髪、知的な輝きを放つディープブルーの瞳、優美な曲線を描く鼻筋、上品な桜色の唇、女性らしい起伏を持つ均整が取れたプロポーションを持つ極上の美女だ。


 リアンナ王女がオレに好意を持ったのは、最愛の妹を助け出し、静養にとアクアスターリゾートへ招き、その後奇策を用いて王宮を取り戻し、ゴラン帝国軍を追い出した事もあるだろう。

 しかし、一番大きいのは『英知の指輪』のスキル『魅了』の効果に違いない。


「あなたの気持ちは嬉しいが、婚姻するかどうか、まだ結論が出ていないのに、それでも良いのですか?」


「私との婚姻をお受け下さるか否かは、カイト様の判断ですから、私はそれについて異議は申しません。

 ですが、その話とは別に、今宵一夜限りで結構ですので、あなたに抱かれたいのです。

 どうか、私のわがままを、お聞き届け下さい」


 一国の王女にここまで言われるとは、男冥利に尽きると言うものだ。


「分かりました。

 今宵は、精一杯あなたを愛し合いましょう」


 オレは、リアンナ王女の手を取り、寝室の扉を開けた。


「心の準備はできていますか?」


「はい、大丈夫です」


 寝室の扉を閉めると、ベッドサイドの間接照明だけを残して灯りを消した。


「カイト様、お気遣いありがとうございます。

 私、殿方との秘事ひめごとについては、王族の嗜みとして母から教育を受けておりますが、それを実践するのは初めてですので、どうかお導き下さい」


 と言うことは、リアンナ王女は処女だということだ。

 18歳になったばかりのリアンナ王女であるが、夫となる男のために守ってきた女の操をオレのために捧げると言ってくれるのだから光栄なことだ。


「まずは、これを飲んで貰おうか…」

 オレは、トリン特製のラブ・ポーションをリアンナ王女に渡し、その効能(避妊、処女痛緩和、感度向上、体力向上等)を説明した。

「え、そんな便利なポーションがあるのですか」


「因みにこのポーションは、非売品なので内密でお願いします」

 後で分かったことだが、ラブ・ポーションは生理痛にも絶大な効果があることが分かった。


「分かりました。

 それじゃ、準備しますね」

 リアンナ王女は羽織っていたガウンをソファに置くと、ヘアゴムで長い髪をポニーテールに纏めた。

 そして着ていたナイトウェアを、優雅な仕草で1枚ずつ脱ぎ捨てると、生まれたままの姿となった。

 胸と下半身の大事な部分を手で隠して恥ずかしそうに立ち、オレを見ている。

「私の体…、どうですか?」


 間接照明に浮かび上がる、リアンナ王女の裸体は神々しいまでに美しかった。

「とても…、とても綺麗だ」


「ありがとうございます。

 カイト様の服、私が脱がせて差し上げます」

 脱がせると言っても、ガウンの下は下着1枚だけだ。

 リアンナ王女がオレの下着を脱がせれると、既に怒張したオレのシンボルが露わとなった。

 リアンナはそれをマジマジと見てこう言った。

「お、おっきい…

 こんなに大きいものが私の中に入るのですね…」


「大丈夫、キチンと手順を踏めば問題なく収まる筈だ」


「分かりました、ご指導のほど宜しくお願いします」

 そう言うと、リアンナはベッドへ横たわった。


「こちらこそ、宜しく」

 さて、ここからは処女バージンキラーかつ王女プリンセスキラーであるオレの本領発揮である。


 リアンナ王女を抱き寄せるとフローラルブーケのような甘い花の匂いがした。

 彼女の桜色の唇にオレの唇を重ね、何度も口づけを行った。

 右手は彼女の形の良い乳房を愛撫し、隙を見て舌を差し入れ、やがてディーブキスへとなっていく。

 

 耳たぶから、首筋の当たりを丹念に舌を這わせ、リアンナ王女の性感帯を探す。

 次は乳房の周りから、ピンク色の頂きを攻めると、微かに声を漏らした。

 どうやら、この辺りが性感帯の1つであるらしい。


 次に見事なクビレを見せるウェストから形の良い臍を攻め、やがて薄い草むらへと至る。

 リアンナ王女の花弁はなびらを指と舌で何度も攻め、その上の突起に舌を這わすと、電気が走ったように仰け反り、『あぁん…』色っぽい声を上げた。

 ここが一番のスイートスポットのようだ。

 その周辺を重点的に攻めると花弁はなびらの中から愛液が滴り落ちてきた。


 さて、受け入れ態勢は整ったようだ。

 リアンナ王女はそれを察したのか、オレにこう言った。

「今度は、私がして差し上げます」

 リアンナは腰までの金髪ポニーテールを激しく揺らし、顔を前後させオレを刺激し始めた。


 リアンナは初めての筈であるが、いつこんな事を覚えたのか。

 健気にもオレを得も言われぬ快感へと導いてくれた。

 上手い、上手すぎる、初めてだとしたら天性の才能なのか。

 ポニーテールを揺らしながらリアンナは奉仕を続けた。

 危うく暴発しそうなところでストップを掛けた。

「ちょ、ちょっと待った。

 余りに気持ち良すぎて出そうになったよ」


「そうなんですか?」


「随分上手いけど、どこかで練習した?」


「いいえ、今日が初めてです」


「だとしたら、男を喜ばせる天性の才能があるかも知れないね」


「えっ、それって喜んでいいのかしら?」


「少なくとも、オレは嬉しいな。

 それじゃ、熱が冷めない内に続きをしよう。

 リアンナ、心の準備はいいかい?」


「はい、カイト様、お願いします」


 ♡ ♡ ♡ ♡ ♡


 リアンナは、破瓜の瞬間、苦痛に顔を歪め、痛みに耐えていた。

 暫くは抱き合ったまま、キスだけを繰り返した。

 頃合いを見てゆっくりと腰を動かすと、その頃には痛みは収まったようで、オレの動きに合わせて、少しずつ動いた。


 やがてそれが快感に変わると、リアンナは悦びの声を上げ始めた。

 徐々に腰の動きを早めると、リアンナはピクピクと反応した。

 そして、大波が来る度に声を上げ、絶頂ピークに到達していた。

 やはり、ラブポーションの効果は絶大である。

 オレはリアンナの何度目かの絶頂ピークに合わせて、彼女の中で果てた。

 二人はそのままの体制で暫く余韻を楽しんだ。


 リアンナがオレの耳元でこう囁いた。

「男女の営みが、こんなに気持ち良いなんて思いませんでした。

 わたし、癖になりそうです…」


「でも、オレとは今宵一夜限りなんだろ」


「そんな…、カイト様ったら、意地悪なんだから…

 もし…、カイト様と婚約する事が出来たら……

 その時は、毎日でも愛し合いましょう」


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 翌朝、オレは『ゲート』でアクアスターリゾートへ戻った。

 そしてすぐに5人の婚約者を伴い、フローリア王宮の王室ダイニングへ向かった。

 そこには、クラウス国王と王妃、マリウス王子が居て朝食を採っていた。

「国王陛下、お早うございます。

 お食事中のところ、失礼致します」


「おお、カイト殿か。

 それに婚約者フィアンセも全員顔を揃えて、何かあったのか?」


「はい、陛下にご相談がございまして…」


「そうかそうか。

 話を聞く前に、一緒に朝飯はどうじゃ?」


「はい、お言葉に甘えていただきます」

 国王が侍女に指示すると、オレたち全員の食事が用意された。


「うわ~、懐かしい、皆んなで食事するこの感じ」

「ついこの前まで一緒に食事してたのにね~」

「あ~、この苺ジャム、私大好きなの~」

 などと3人の王女は久々の実家の朝食に燥いでいた。


「それで、何の話じゃ?」

 婚約者5名もオレの話に興味津々の様子だ。


「はい、実はリアンナ王女から結婚を申し込まれました」


「えぇ~!」

 その場にいた全員が、同じ反応をした。

 それもその筈だ、相手は女王就任が確実視されているリアンナ王女だからだ。


 オレは、フォマロート王国内で起きた王配を巡る権力争いについて話し、リアンナ王女がオレに結婚を申し込むに至った3つの理由を説明した。

 ①3大公爵家の権力争いを、他国から王配を迎える事で、有無を言わせず収めたい。

 ②オレに国内の復興や産業振興を指導支援してもらいたい。

 ③純粋な気持ちでオレが好きである。


「なるほどのう。

 カイト殿が王配となれば、権力争いは沈静化するし、飛行船の定期航路就航や戦争で荒れ果てた国土の復興も支援してもらえると考えた訳じゃな」


「そのようです」


「それで、カイト殿はどう思っておるのじゃ?」


「はい、陛下の了承と婚約者フィアンセ全員が賛成してくれれば、この話を受けようと思っております」


「そうか…

 儂はこの話、賛成じゃぞ。

 ソランスター王国に損は無いし、カイト殿がフォマロート王国女王の王配となれば、これ以上に強い絆は無いし、同盟関係も盤石になるからのう」


「私たちも賛成よ。

 リアンナ王女は、とても聡明で性格も良くてカイト好みの美人だし、アクアスターリゾート滞在中の交流で人柄も分かっているから、彼女が婚約者になっても問題ないわ」

 ジェスティーナが5人を代表して意見を述べた。


 斯くして、国王と婚約者フィアンセ全員の承認を得る事ができたのだ。


 早速、『ゲート』でエルサレーナ宮殿へ飛び、リアンナ王女に伝えたところ、涙を流して喜んでくれた。

 こうしてリアンナ王女がオレの6人目の婚約者フィアンセとなることが決まった。

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