第11話 チーム分裂の危機
二繫・宇喜多は目の前で起きている光景を目にしながら、声を発することもなく凝視していた。
ほんの数日前まで 生意気な中坊だった四谷が、ジョブチェンジで黒髪ロングの美少女になり、勇者の仲間である鳥居啓太に犯されているのだ。
鳥居「お、さすが処女マンコだけあってキツキツだぜ。」
四谷「痛い。痛い・・・この金髪豚野郎! さっさと抜け!」
さすがの痛みに四谷は大声で叫ぶ。
この別地球に飛ばされたプレイヤーの痛覚は元の世界の1/36になるそうだが、破瓜の痛みは最初は凄いようだ。いや、つい数日まで男子中学生だった四谷が、女にされて男に処女膜を破られるなど想像も出来ない。
鳥居「痛いのは最初だけだ。すぐに気持ちよくなるはずだぜ」
四谷「あ、あ、あ、頭まで電気が走る。やめてーー」
その叫び声に、隣の部屋で寝ていた新堂・時館・グレンダは飛び起きる。
紅末も目を覚まし、目の前の異様な光景に目を奪われるがあっけに取られて声すらでない。ほのかに恋心を抱いていた同級生が性転換しフェロモンを出しまくるメスとなり、男に抱かれて盛っている。
グレン「おい、何をしている。ドアを開けろ」
ドアは施錠され開かぬと見るや、グレンはすぐに戦士装備の大斧をアイテムボックスから出し、ドアを破壊し中に入る。
鳥居「とうだ。気持ちよくなってきて頭が真っ白だろ。これから俺のチンポなしで生きられないようにしてやる」
四谷「す、すごい・・・これが女の絶頂?」
衣宇「グレンさん。止めましょう」
グレン「そうだな。おい啓太、友助から離れろ」
グレン・衣宇に続いて宇喜多・二繁も鳥居を抑え込もうとする。まだ下半身が四谷とつながったままの鳥居は暴れるものの逃げ切れず、グレンや衣宇、そして正気に返った箱崎によって両手を後ろに回され縛られる。
グレン「さーて啓太、いったいなんでこんなことしたんだ」
衣宇「あんた、さんざん私の事を口説いていた癖に、私が落ちないとみると、四谷を襲ってやるなんて、最低」
鳥居「うう・・・すまねー。なんかムラムラきちまって我慢できなかった」
宇喜多「フェロモンのせいかもしれません。娼婦になった四谷君の身体からは男を誘うフェロモンが分泌されているのでしょう。その証拠に私も二繁もあそこがビンビンです。」
衣宇「鳥居を庇うの?」
二繁「庇いやしねーよ。でも、俺たちは四谷に何もしかなったけど、暴行されているのを止めることは出来なかった。なんか空気に呑まれていた」
箱崎と時館は汗と精液で濡れた四谷の身体をタオルのようなもので拭き、毛布を掛ける。箱崎は四谷の横に座り声をかける。
箱崎「大丈夫?四谷君?」
四谷「らいじょうぶら、ない。キモチワルイ。吐きそう」
衣宇「誰か、桶か何か持ってきて」
宇喜多と二繁は廊下に出て走り回り、二繁は風呂場にある桶を思い出し、素早く持ってくる。
四谷「うげえ・え・・おええ・・・」
箱崎は優しく四谷の背中をさする。一通り吐いたら 水を持ってきた宇喜多が四谷にうがいをするように促す。
グレン「さて、問題だ。こういう事件を起こした以上、いままで通りチームが一丸になってクエストクリアするのは難しくなる。」
時館「まあ、チームが分裂するのはこれで4度目になりそうだけどね」
たしかに、このチームはリーダーというのははっきり決まっていなかった。1週目からいる新堂衣宇は、途中、なんども敵につかまったり、ゴールディア王国とイハル・ネモアとの麻薬戦争では、イハル・ネモアは治安が悪いと言う理由でゴールディア王国にとどまり、イハル・ネモアに潜入できなかった。
箱崎紅末は自分に秘めたる意思はあるものの、人を引っ張っていくタイプではなく、時館由香は誰かの意見に流されることばかりだった。
そして主人公・四谷友助は単独行動を好み、クエストクリアの効率を上げるためにチームを分割したり、単独行動をすることが多かった。
日本人だらけのチームの中でグレンダは積極的に動き回り、チームを引っ張ることが多かったが、情報収集などでは単独行動をすることもあった。
鳥居啓太は思慮に欠けるものの、その明るい・・悪く言えば能天気な性格から、四谷が出来ないマフィアとの付き合いをこなしたり、空気を読まない発言がジフォン島でのクエストクリアに貢献してきた。だが自分勝手な性格が裏目に出て、この度のレイプ事案になった。
二繁羽樹は元社畜であり、誰かの指示待ち人間だった。今回の事案でも鳥居の暴走をただ見ているだけで止める能力は無かった。宇喜多に至っては鳥居と一緒に四谷を襲うように誘われていた。
四谷「まだ、頭の中が真っ白でどうすべきかわかりません。嫌って言ったのに無理やりやってきた鳥居を許す気は無いけど、こいつが居なければクエストクリアが困難になる」
グレン「友助。いまは辛いだろう。私も父にレイプされた時は、父を殺したい気持ちと、逃げたい気持ちが混在していた。」
衣宇「さすがにクラスメイトがレイプされたのは見過ごせない」
時館「ま、あの四谷だから同情はしないけどね」
箱崎「由香ちゃん。もうちょっと言葉を選んで」
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