第91話 愛彩の病気の真相
次の日は大事をとって学校を休ませた。
その日もずっと愛彩につきっきりになっていた。
何故か、今更裕彩に譲ってあげた絵本を持ってきて、読んでくれというのだ。
赤ちゃん返りをするような年齢ではないけど、今になって末っ子だったのに!という思いが爆発したのかな?と思っていた。
愛彩はなぜか物を片付けるときに等間隔に置いていく。
それをずらすとすごく怒る。
言いつけを守らないというよりも、守れない、表にすると喜んで守る。
単純な性格だな、くらいにしか思っていなかった。
それでも、泣き叫ぶときと、しくしくと一人ではなれたところで泣いてる時もあり、情緒が不安定なのかなと思っていた。
元気を取り戻した愛彩はみんなと学校に登校した。
大輔さんと連絡をしようとしていたころに愛彩の担任の先生から電話かがあった。
愛彩のことについて話があると。
学校に来てくれとのことで、昼前だったが学校に向かった。
学校でもたびたび、理由もなく突然泣いていたりするのですがお家で何かあったのですか、と聞かれた時には耳を疑った。
そして、私自身も不安になり、先生に最近の出来事を話してみた。
そのうえで、発達検診、子供の心療内科を受診してみてはどうかと勧められた。
私は少し大げさなのではないかと思ったけれど、とにかく主人と相談しますといって、学校をあとにした。
その夜、潤と話し合い、発達検査をうけることにした。
もちろん、愛彩にはちょっとおでかけだよ、お腹も診てもらおうねと言って、予約をとり、受診した。
横で見ていて、心理士さんのいうことをほとんど聞いていない、簡単な質問、例えば家族の名前などを簡単に答えられない。
そして、プレイルームという、子供が待っていられるように、絵本やちょっとしたおもちゃがある部屋にほかの心理士さんと愛彩が遊びに行っている間に、診断結果を聞いた。
広汎性発達障害で、学習は問題ないのだが、発達が遅れている、そして、自閉症もあると。
泣き叫んだりするのは何かのサインであって、気を引こうとしているだけではなく、自分がこれが嫌だということに、言葉でうまく説明できずに泣き叫んでしまうということだった。
目の前は真っ暗だった。
頭が追い付かない。
先日の胃腸風邪もその精神的な乱れからかもしれないと言われた。
これから先のことは児童相談所が訪問して、相談を受け付けてくれるということになり、愛彩が笑顔で戻ってきた。
そんな愛彩を見て、涙をぐっと我慢して。
一緒に手をつないで、ありがとうございましたと頭を下げて、センターを後にした。
愛彩、ごめんね・・・。
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