第81話 ある程度の覚悟

龍馬くんママから、隣町のショッピングモールに居なかったかと尋ねられたのは参観日の日だった。

彩斗だけでなく、彩幸も、愛彩も同じ日に参観だったから教室をうろちょろしていた時に、廊下で龍馬くんママに会った。

尋ねられて、答えようとするけれど、どんなふうに答えればいいかわからないから少し戸惑う。

多分、いとこと一緒に買い物に行った時かなとか適当に言っておいた。


龍馬くんママは私の行動をどこまで知ったのだろうか。

尋ねられた時は咄嗟に出た言葉で会話を繋げたが、一体どこまでのことを知っているのか。

見かけただけ、なのか、大輔さんと一緒に楽しくショッピングしているところをしっかり見られたのか、その後もつけてこられてその後のことも・・・。


せっかくの子供たちの参観日なのに、その事が頭でいっぱいになり、龍馬くんママとランチに行く約束をした。


こちらから誘って誰とでも友達になれるアピールをするつもりだ。

だから、いとこともこうしてよく一緒に出かけるんだよと。


子供たちは、私の姿を見ると、嬉しそうに手を挙げて発表したり、とても嬉しそうにしていた。


参観日の時間が終わり、急いで家に帰った。

大輔さんに相談したかったからだ。

どうすればいいか、動揺する自分の気持ちをなだめるための電話でもあるのだ。





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