第3話 服を脱ぎ始めた

「えェ?! お風呂入いるンですかァ……」

 驚きのあまり声が、ひっくり返りそうだ。



「なによ。私がお風呂に入っちゃ、マズいッて言うの!!」

 麻衣子は不満げな眼差まなざしでボクを睨んだ。


「いやァ、別に、マズいワケじゃないけど」

 何度も首を横に振った。頬が引きつって上手く笑えない。



「今日、少し暑かったでしょ。汗かいちゃった」

 ゆっくりとボクの前で服を脱ぎ始めた。


「あァ……」

 色白なところは、普段の麻衣子と変わらない。

 しかしスタイルが雲泥の差だ。


 

 豊かな胸の膨らみがなんともなまめかしい。

 ボンキュッボンのわがままボディだ。

 


 見ているだけで、身体じゅうが熱く火照ほてってくる気がした。


 まるで、グラビアアイドルのような巨乳に視線は釘づけだ。


「うゥ……!!」

 思わずボクは彼女に見惚れて口が半開きになっていた。


「なによ。ヨダレ垂らしちゃって!!

 ジロジロ見て、そんなに珍しいの」

 彼女は恥ずかしそうに胸元を脱いだ服で隠した。


「えェッ、いや」慌てて、手の甲でヨダレを拭った。


「ゴックン……!!」思わず生ツバを飲み込んだ。

 目のやり場に困ってしまう。


「あ、あのォ……、ゴメン」

 それにしても結婚して十年以上経つのに、緊張して上手く会話ができない。



「フフぅん……」

 鼻歌を歌いながら、麻衣子はバスルームへ消えていった。タイトルは忘れたが、おそらくあいみょんの歌だろう。



 麻衣子はいつも短くても三十分、長ければ一時間くらい風呂に入っている。



 ボクは歯を磨き、寝室のベッドで待つことにした。

 


 テレビを見ても、スマホでネットサーフィンしても気がそぞろだ。

 無性にバスルームの麻衣子が気に掛かる。


 ドキドキして居ても立ってもいられない。

 何度も寝返りをうった。



 どれくらい待っただろうか。







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