会議① side 第三者
屋敷の一室で、ラインハルト達による会議が開かれていた。内容は、先日保護した少年について。少年が目を覚まし、おおまかな性格も把握出来たことにより、この会議は開かれた。ヴィンセントは声の通る水晶を使っての参加だ。
ライ「さて、一先ず、あの子の名前を決めないか?いつまでも名無しでは、不便だろう。」
クリス「あの子には名前がなかったの?だから自己紹介のとき、黙っていたのね。」
マリア「名前……イメージから考えればいいのですか?」
アル「イメージって?」
マリア&アンジェ「「天使です。」」
「「「「「あーーー。」」」」」
エド「子供向けの物語には、ハルクとライアンときう天使がいるね。」
ヴィー「ハルク、ライアン、、………ルクライア?」
ライ「いいな。略称はルークかな。異論は?」
「「「「「ない(ありません)」」」」」
ライ「じゃあ、決まりだな。みんなはルークについて、どう思った?エドから順に頼む。」
エド「とにかく傷が多いね。身も、心も。でも心は綺麗なままだ。ただ、痛みをまともに感じれてないのかもしれない。診察で注射をしたとき、じっと見ているだけで全く反応しなかった。」
クリス「とても可愛い子でしたね。ライのことを主と言ったときはとても驚きましたが、傲慢さもないし、問題ないと思いますわ。」
アル「多分だけど、剣を使えると思う。今は無理だと思うけど何となくそう感じた。」
マリア「恐らく弓も扱えます。私もなんとなくですが。」
アンジェ「気配に敏感でしたね。少しの動きにも魔力が反応してました。」
ヴィー「人の温もりに慣れてないと思います。初めて頭を撫でたとき、少し緊張していましたし。ただ、今は逆に温もりが離れていくのが怖いようで、僕の手を握ったままです。」
ライ「成程。みんな好印象だな。ならば、問題はないだろう。ルークが受け入れたら家族にしようか。」
「「「「「はい「うん」」」」」」
ライ「じゃあ、他に言いたいこととか、あるか?」
エド「では、私から。彼のいたヤーグス家について。あの後さらに調べてヤーグス家がやっていたことがだんだんと分かってきた。奴隷売買、人殺し、詐欺行為、それはもういろいろとやっていた。ルークくんは恐らく、奴隷の類い。前の主には保護されたと言っていたし、どんな経緯があったかは調査中だよ。ヤーグス家を裁くには、ルークくんの証言は必要かな。決定的な証拠があまり残されていなかった。」
エドの言葉に重い空気が漂う。
ライ「あまり思い出させたくないな。」
エド「気持ちは分かるけど、仕方の無いことだよ。その代わり、ルークの苦しみ以上の幸福をあげればいい。幸いここは、公爵家。ある程度は融通が利くだろう?それに、私達はみんな、もう、彼の虜だ。簡単に手放してやる気などないんだから。」
「「「「「確かに……」」」」」
ライ「それもそうだな。私達はルークが少しでも幸せを感じられるように努力しよう。」
クリス「一先ず、ルークの服ですね。今の季節、あの服では寒いでしょうし、取り敢えず、ヴィーとアルの小さい頃の服を着てもらいましょう。」
アンジェ「あの部屋をそのままルークの部屋にするのですか?」
ライ「そのつもりだったが?」
アンジェ「少し、考えた方がいいかもしれません。あの部屋は使用人練に近いので、より多くの気配を感じてしまいます。」
ライ「成程。様子をみながら考えようか。」
アル「俺は懐いてもらえるように頑張らないと。」
マリア「ルークは戸惑いはしても、怖がっていませんでしたから、恐らく大丈夫です。」
ヴィー「取り敢えず、僕は今日、ルークと一緒に寝ます。手も掴まれているので。」
「「「「「………う、羨ましい」」」」」
こうして、とある公爵家の夜はふけていった。
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