チャリで来た!
サブロー
第1章 運命の出会い編
第1話 ★★★★★ とても良い
【レビュー欄】
「極上の商品をお届けしてくれた世界一の出品者」
出品者 hatake
購入者 ツカサ
初めまして。
ツカサと申します。
このたび、hatakeさんには大変素晴らしい商品を譲っていただきました。あまりの感動に打ち震えて胸に収めておけませんでしたので、この場をお借りして想いをしたためさせていただきたいと思います。
hatakeさんの商品をお見かけしたのは、ちょうど一週間前のことです。私は当時、某ブランドのスウェットを安価で購入したいと思い、キャルメリを利用しておりました。
恥ずかしながら、私はいまだ学生の身分であり(ただし旧帝大の医学部に所属しております)、日々の生活費はできるだけ節約したいと考えていたためです。(実家は一般的に見てとても裕福ですが、一人暮らしを経て常識的な経済観念を学んだと自負しております)
hatakeさんの商品画像はそのなかでも、夜空に光る一等星……言うなればデネヴやスピカのごとく際立っておりました。おそらく、写真撮影のセンスがずば抜けているのではないでしょうか。
私にはすぐ分かりました。
この出品者は何かが違う、と。
商品説明を見てもそうです。ほかの有象無象の出品者たちがアプリの規約を無視し、取るに足らないオリジナルルールを書き連ねているのに対し、hatakeさんは実に端的に「試着のみタグ付き。少し大きかったので出品します。即決大歓迎です。」とだけ書いておられました。
現代の日本が必要としているのは、こういった人材なのではないでしょうか。無駄を省き、必要なことを的確に伝える。社会でたくましく生き抜くにあたり、必要不可欠な能力です。
特に「少し大きかったので」のくだりが素晴らしい。イマジネーションをくすぐられました。hatakeさんは私より少し小柄だとお見受けします。そんなところも素敵で胸が高鳴りました。(私の身長は183センチです。参考まで笑)
今回が初出品とのことでしたが、とても丁寧な対応でした。
「初めて」をいただいたのが私だと思うと恐縮ですけれど、同時に大きな喜びも感じています。
さらに、ざっと見たところ、hatakeさんはほかの出品者たちよりも1000円ほど低く商品を出しておられました。
これにも私は、いたく感動しました。製造元であるブランドに敬意を払いつつも、謙虚さを忘れない。そういった姿勢を見せることのできる若者が今この国にいったい何人いるでしょうか。hatakeさんの高潔さには頭が下がるばかりです。(ちなみに私は中学生時代、休日にはボランティアに勤しんでおりました)
そして本日、東京から大阪への距離を超えて、このスウェットが私の手元へ到着したわけです。hatakeさんは堅実な方とお見受けいたします。梱包に使われていた某ショップの袋、あのショップは私もよく利用いたします。hatakeさんと私は趣味が合うのですね。あまりの嬉しさに身震いします。
このショップの本店はたしか大阪にあったと記憶しておりますので、いつかhatakeさんがこちらへお越しいただいたときに案内できればと思います。(おっと、これはちょっと気が早かったですね笑)
送り状に書かれていた文字も可愛らしかったです。hatakeさんは右上がりの癖があるんですね。少しハネのある文字が、独創的で素敵だと感じました。(自慢するわけではないですが私は書道大会で金賞をいただいたことがあります)
また、hatakeさんが私を一心に想い、私の名前を書いてくださったこと。
この上ない喜びだと身に染みております。もちろん、hatakeさんのお名前も、しっかりと脳裏に焼き付けました。本当に、本当に素晴らしいお名前です。
私の語彙力では、この素晴らしさを伝えることができないのが実にもどかしい。hatakeさんのお人柄が窺える、これ以上ないものだと思います。実際、何度か口に出してみましたが、語感もしっくりきました。いくら舌の上で転がしても飽きが来ない、滋味深い響きです。
さて、前置きが長くなりましたが、本題はここからです。
男らしい荒々しさで貼り付けられたセロハンテープを剥いだ瞬間、包みの中からは最高の状態の商品とともに、私がこれまで嗅いだことのない豊潤な香りがあふれました。
私は冗談抜きで尻餅をつきました。香りというものに、ここまで圧倒されたのは初めての経験です。私は他の同窓生たちに比べ多くの経験を積んできたと自負しておりますが、これほどの衝撃を受けたことはありませんでした。それほどまでに、スウェットの、いや、スウェットに染み込んだhatakeさんの香りは私の脳髄を揺さぶったのです。
極上の香りの渦に飲み込まれ、私はしばらくの間、ショック状態になりました。陶酔状態にあった、と言えるかもしれません。たかが香りで、ここまで自分の感情が激しく動かされることになろうとは。それほどに強烈な香りでした。(もちろん良い意味ですヨ!)
私は何かの間違いかと思い、くり返しその香りを確かめました。そこにhatakeさんがいなくても、私はたしかにhatakeさんの存在を感じました。
こんなところで書き込むのもいかがなものかと思いますが、遺伝子レベルでhatakeさんとの強い繋がりを確信しました。
そう、運命です。
あえてここで私のバース性は書きませんが、私とhatakeさんは、運命のつがいなのではないでしょうか?
バース性研究の進んだ現代でなんとナンセンスな、と思われるかもしれませんが、それ以外に説明がつきません。私は周囲からリアリストかつ冷静沈着と評される性格ですが、hatakeさんから贈られたこのスウェットの香りを嗅ぐたび、いてもたってもいられない気持ちになります。
hatakeさんがこのスウェットと出品したこと、そして私が見つけ出して今ここにそれが届いたこと。すべての点が、繋がったのです。
運命は引き離すことができないと言います。今この瞬間、私たちは物理的に離れてはいますが、こうして接点を持ったことにより、繋がりが生まれたのです。
hatakeさん、あなたも私の存在を感じませんか?
頂戴したスウェットは、勿体なくてまだ袖を通しておりません。あなたの存在が、少しでも薄まることを恐れているからです。
ひょっとして、hatakeさんは私と同じく学生さんなのではないでしょうか?
もしそうであればとても嬉しいです。同い年だったりしたら、ますます運命を感じてしまいます。(軽々しく何度も運命などと書いてすみません。けれど本心です笑)
もちろんいくら歳の差があろうと構いません。スウェット越しにhatakeさんの笑顔が見える気がします。きっと、可愛らしい方なのでしょうね。
今後hatakeさんが出品された商品は、すべて私が購入したいと考えています。できればhatakeさんが一度、ないしは複数回着用したものだと幸いです。下心なんてないですからね笑
なお、忠告しておきますが、他の購入者の方々はきちんと空気を読み、私とhatakeさんの仲を引き裂かないようお願いいたします。
たとえ刑法に定められていなくとも、運命の邪魔をするのは重罪だ、と私は考えます。空気の読めない人はモテないですからね笑(余談ですが、私は去年のバレンタインデーに14個のチョコレートを頂いております)
あっ、hatakeさん。
誤解しないでほしいのですが、私はまだ誰ともつがってはおりません。見た目は悪くないため、どうしても言い寄られてしまうのですが、私は硬派な男ですのでご安心くださいませ(^^)
とにかく、他の購入者の方へ今一度お願いです。hatakeさんの出品される商品を購入したい場合は、まず私を通していただきたいと思います。許可はできませんけれど笑
長々と書いてしまいましたが、以上です。
今夜は祝杯を挙げたい。
hatakeさんのいる、東の空へ向かって。
hatakeさん。
私たちは、同じ空の下で繋がっていますよ。
cheers!
ツカサより
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