平和な日本昔話

@yspmymt

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モノタロウ

 昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ水浴びに行きました。お婆さんが川で超熟の色気を振りまいていると、ドンガバチョ、ドンガバチョと、大きなモノが流れてきました。


お婆さん「ひょうたん島?」


 お婆さんは大きなモノを拾い上げて、家に持ち帰りました。お爺さんが帰ってきた時、お婆さんの持ち帰ったモノを見るやいなや「桃じゃないの?」と疑問を呈した所で、なんと中から元気の良い青年男性が飛び出してきました。


お婆さん「赤ちゃんじゃないの?」


 お爺さんとお婆さんは「進行がちがう」と困惑しきりです。モノから生まれた青年男性を、お爺さんとお婆さんはモノ太郎と名付けました。モノ太郎はスクスク育ち、順調に歳を取り、やがてお爺さんになりました。元々いたお爺さんとお婆さん寿命で亡くなりました。


 そしてある日、モノ太郎がつぶやきました。


モノ「きび団子食いてぇ」


 モノ太郎は自分できび団子を作り、食べてました。「こりゃ美味い」きびだんごを食べていると、イヌが来ました。


イヌ「あれ?鬼退治行かないの?」

モノ「なんの話?きびだんご食べてるんだけど」

イヌ「そっか」


 イヌはきび団子をもらい、モノ太郎のおともだちになりました。そして、こんどはサルが来ました。


サル「あれ?鬼退治行くんじゃないの?」

モノ「なんで?行かないよ。きびだんご食べてるんだけど」

イヌ「らしいよ」

サル「そっか」


 そしてこんどは、キジが来ました。


キジ「あれ?鬼退治は?」

モノ「何なの?」

イヌ「何だろ」

サル「まぁ食えよ」

キジ「そっか」


 こうしてモノ太郎は、イヌ、サル、キジとおともだちになりました。



 その頃鬼ヶ島では、鬼たちが元々あったお酒やごちそうを並べて、酒盛りの真っ最中です。楽しそうですね。

赤鬼「桃太郎まだ来ないの?」

青鬼「まだっぽいねぇ」

赤鬼「そっか」

今日も平和そうです。



モノ「ちょ、君たち食べ過ぎじゃね?お爺さんとばばぁの墓に供える分残しといてよ。」

イサキ「うーす」

 モノ太郎はキビ団子を持って、お爺さんとお婆さんの墓にキビ団子をお供えしに行きました。イヌとサルとキジもお供しました。

天国のお爺さんとお婆さんは、モノ太郎の無事な姿を見て大喜びです。

そして1人と2匹と1羽は、平和にくらしましたとさ。

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