第11話
「ごめんね、ご馳走になって。それにアイスもありがとう」
「いや、親に奢ってやれってお金もらってたからさ」
「ふーん……」
まだ太陽の位置は高いままで、ジリジリと俺らを照りつけていた。
「暑いね……」
凛は時折ワンピースの胸元を摘んで、パタパタと中に風を入れている。
できるだけ見ないようにしようと思っていても、もしかしたらの誘惑に負けてしまう。
でも、流石に服の中までは見えなかった。
「家帰ったらすぐアイス食べたいくらい暑い……」
「こういう時はアイスが美味しいだろうな」
「そうだね」
汗が首筋を伝う。
ベタベタしないか不安になってきた。
いやもう汗で首周りとか濡れている。
「保冷剤もらって正解」
「家が近くても溶けてそうだな」
だんだん会話をするのもおっくうになってきた。
でも、この後のお楽しみのために今は我慢。
「やっぱシャワー浴びてからヤる?」
凛がためらいなくそんなことを口にした。
「どっちでもいいけど。また汗かくしな……」
「もしかして汗の匂いとか好き?」
「えっ!?」
なんてことを言うんだ。
俺がそんな変態じみたことを好むわけがない。
戸惑っている俺を見て、彼女は俺の腕に抱きついてきた。
「どう?」
近い。あまりに近い。
それに、彼女の匂いが香ってきた。
「どうもこうも……」
汗でじんめり湿った肌が触れ合うたび、前回のエッチを思い出させられる。
あとはもう条件反射的に体が反応してしまった。
「もう、素直じゃないなぁ……」
凛の細い指が俺のズボンを指差した。
「おっきくしてるくせに」
「それ……は……なんというか……不可抗力というか……」
「へんたい……」
かなり直接的な感想。こういうのって意外と効くんだよな。
そんな会話をして、いちゃつきながら歩いているといつのまにか彼女の家に着いていた。
「ただいま」
「お邪魔します」
相変わらず綺麗に掃除された廊下を通り、まずは手を洗う。
二人で並んで手を洗っている時にふと鏡を見ると、まるで新婚みたいな感じがして気恥ずかしくなった。
「アイス、冷凍庫に入れといていい?」
「あ、ちょっと待って」
彼女は慌ててアイスの袋に手を伸ばし、バニラアイスのカップを一つ手に取った。
「これは部屋で今から食べる」
「じゃあ他は入れとく」
人の家の冷蔵庫を触るのは初めてなので、触っていいものか入れると言った側から迷ってしまう。
彼女はもう部屋に行ってしまっていて、どうしようもないので、仕方なく冷蔵庫を開いた。
「ん、遅かったね」
「我が家のと作りが違ったから……さ……って……!?」
ベッドに腰をかけ、アイスを食べている彼女。
でもその姿は下着姿だった。
純白でフリル付きの下着が凛の肌に溶けていた。
「ちょっ……なんで脱いでんの……!?」
「んー……食べさせてあげようと思って」
食べさせるって普通だったらスプーンですくって食べさせるとかだから、服を脱ぐ必要はない。
俺が困惑しているのを横目に凛はバニラアイスを一口分スプーンでとった。
しかし、そのアイスは直接俺の口に入るわけではなく、彼女の太ももに着地する。
「食べてよ」
彼女が悪戯っぽく笑っている。
「でも……」
「溶けてベッド汚れちゃう。早く」
彼女はベッドに座ったままで、動く気配はない。
「はぁ……」
しかたなく俺は彼女の前に膝をつき、ふとともに口づけをする。
「んっ……」
一瞬凛から甘い声が漏れる。
彼女の肌の熱さにアイスも俺の理性も溶かされていく。
アイスの甘さ、彼女の躰のしょっぱさが俺を夢中にさせていく。
「くすぐったい……」
「凛が悪いんだからな……文句言わないでよ?」
彼女の脚を甘噛みし、舐め、吸う。
丁寧に、見えないところに彼女が自分の物だと俺だけがわかるように痕をつける。
「痕ができちゃう」
「誘ったのは凛だよ?」
彼女の顔を見上げると文句を言っているのにまんざらでもない表情だった。
「ん、じゃあ」
凛ははもう一回アイスを救うと、今度は彼女の胸にのせる。
「舐めてよ」
先ほどの悪戯する時のような笑みは消えていて、頬は朱に染まっている。
「興奮してる?」
胸を舐めている俺に凛が問う。
「まぁ、してる……かな」
「男子ってこういうの好きでしょ」
バニラアイスが溶けてできた白い液が胸から下へ這うように滴っている。
それに沿うように舌を這わせていく。
「わからない……けど、俺は好きかもしれない……」
「へんっ……たい……」
バニラアイスがところどころブラジャーにつき、彼女の下着から甘い香りがする。
「ん、舐め方……やらしい……」
「しょうがないだろ……」
彼女の躰を舐めるたび、彼女は背筋がぞくっとしたかのように上半身を震わせる。
「凛だって興奮してるじゃないか……」
彼女の息は俺と同じように荒く熱くなり、四肢はさっきよりも火照っている。
「じゃあ、これも舐めてよ」
そう言って彼女は足の甲にアイスを乗せた。
「そんなにいうんだったらできるよね?」
柔らかくなった白い塊は徐々に液体へと形を崩していく。
そして、凛の挑発的な言葉。
理性がもうほとんど残っていない俺には、その煽りにのる以外の選択肢はなかった。
彼女のかかとを持ち上げ、俺はまず、指先から舌を這わせた。
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