『新 ドリムの丙座』 5


 『いやあ、うっとうしいなあ。二階から飛び降りようか。良くて、怪我するだけだな。向かいの川に入るか。濡れるだけかな。なんでこうなったの。自分のせいだな。くっそお〰️〰️〰️。もうちょいがまんできたら、こんなに、貧窮しなかったよなあ。あいつら、うらめしやあ~~~~🔥 あ、時間だ。テレビつけよ。』




      ぶし!


    じ〰️〰️〰️〰️。じわ〰️〰️〰️。




 『コノバンぐみは、やましんラーメンの提供で、お送りいたします。』

  

| 


 〽『じゃーん。じゃーん。じゃーん。』



      



 〽️ かがやく 大川 舞いたつ富士よ


  丙座の道に 煙が上がるぜ〰️〰️ 〽️



 『なんだあ、うた、変わったかあ。小学校の校歌みたいだ。』


             

              🗻




七さぶろ


 『おやぶん、まっくらです。』



丙座親分


 『あたりまえだ。夜中なんだから。しっ。しずかに。』



 丙座親分と七さぶろは、お奉行さまの手引きで、深夜の奉行所に忍び込んだのである。


 当直の担当者には、お奉行さまから、適当に言い渡してあるから、事務所には、やってこないという。



 『こんやは、出る日だろ。『お上妖怪番』が張り込んでるから、他言無用。よいな。もし、しゃべると、祟られるらしいからな。』



 この時代のお奉行は、強かったのだ。


 担当者は、なにかを、忖度した。


 もっとも、幽霊などは、まともには、信じられなくなってきてはいたのだが。


 ついでに言えば、まだ、腕時計とか、懐中時計とか、ない時代である。


 機械式の時計があるのは、大名とか大金持ちの屋敷くらい。


 今と違って、日の出と日の入りを基準にしていたから、季節によって時間は違ったし、分とか秒は使われていなかったので、時計の針は一本しかなかったのだとか。


 日本人が勤勉で、時間に正確というのは、明治以降に、作られた伝説である。


 生活に即した時間だったので、サマータイムがどうのこうのと、騒ぐこともなかったのだろう。


 欧米に比べて、すうっごく、のんびりした時間感覚だったのだとか。


 まして、化け物ともなれば、いつ出るかわからない。



 丙座親分と、七さぶろは、ひたすら待った。


 もう、やはり、今夜は出ないか、と、思い出した、今でいえば午前2時すぎあたり。


 まあ、丑三つ時である。


 事務所の中に、不可思議な、見たことがない明かりが、ぽっと灯った。


 その明かりは、ろうそくの炎のようには、揺らめいたりしない。


 しかし、一部分だけは、あたかも昼間のように明るいので、二人は度肝を抜かれた。


 そうして、その明かりを持っていると思われる、化け物の姿が、背後にあった。


 だが、どうやら、獣の姿などではなくて、人間らしく見える。


 そいつは、その、まばゆいばかりの、揺らめかない行燈を、机の上に置いた。


 それから、こともなげに、金庫のカギを開けて、中から書類と金を持ちだしたのだ。


 『まちがいねぇな。』


 ふたりは、少しの明りのおこぼれの中で、顔を見合せた。


 それから、そいつは、不気味な声で、金を数え始めた。



 『いちまい、   にまい、   さんまい・・・・・』



 七さぶろの首筋を、脂汗が流れたが、さすが、丙座親分は、まったく平静なままだ。



 『よし、いまだ、きさまあ、御用である。おとなしく、お縄を頂戴しやがれ!』


 『わ、やば。』


 そいつは、金をばら撒き、立ち上がって逃げ出そうとしたが、そこに、間髪を入れずに、丙座親分の、ドリム金貨が襲ったのである。



      コマーシャル



 『ぷんぷうん。ぷうん。まあ、おいしそうな香り。


  ママ、ラーメンだあ。


  やましんラーメンだわね。』



    〽 らんらんらん。やましんラーメン美味しいなあ。



            以下 省 略




    *******************



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